スイスはバーゼルからドイツへ、家具メーカーVitraの本社「ヴィトラ・キャンパス」。Vitra Campusには工場だけでなく、世界の著名な建築家によるユニークな建築物がたくさんあり、建築の聖地としても知られています。
ヴィトラ・キャンパスには、子どもが喜びそうなすべり台(アート作品)なんかもあり、ピクニックも楽しそうで、たくさんの人で賑わっていました。
ヴィトラは、1950年創業のスイスの家具メーカーですが、ヴィトラファミリーは当初、スイスのバーゼルで店を構えていたそうですが、工場を作るのに広い場所を探し求め、知らずに国境を越えちゃってた、っていう面白話を聞くことが出来ました。
ヴィトラキャンパスについてはこちら↓
https://www.vitra.com/ja-jp/about-vitra
Day 12019/04/22
Vitra Campusはドイツ国内。
バーゼルからドイツへトラムに乗って行くことに。
55番のバスに乗っても行けるようです。
8番のトラムに乗っていつドイツインしたのか分からないまま16分後、終点ヴァイル・アム・ライン(Weil am Rhein)駅。
Vitra Campusまでの標識が出てる!遠いぞ!
キャンパスの入り口はたくさんあって、一番南側はこの素敵小径を行きます。
するとちょっとした広場に出ます。
犬の散歩中の方々がちらほら。
右手にある赤いレンガのミュージアムが受付の一つ、ヴィトラ・ショウデポ(Vitra Schaudepot) 。
三種類のチケットがあって、
1.ショウデポ家具ミュージアム
2.デザインミュージアム
3.建築ツアー
私は2.をパスしました。
1日に数回、英語での建築ツアーがあるのでそれを申し込みます↓
https://www.vitra.com/ja-jp/campus/visit
2016年に出来たヘルツォーク&ド・ムーロンが設計した「ヴィトラショウデポ」は、約7000点以上にものぼる歴代の家具がずらりと並ぶミュージアム。
イームズを始め、アルネ・ヤコブセン、アルヴァ・アアルト、リートフェルトなど往年の名作椅子や近年注目を浴びているデザインの椅子が年代毎に展示されています。
切妻屋根の家型のファサードは赤煉瓦。
赤煉瓦のファサードは、二つに割った断面を表に使っています。見たことのない、おもしろい表情を醸し出しています。
コレクションは1800年頃から始まっていて、恐らくここにしかないものも多くありそう。
今見ても素敵だな、と思うものがたくさん。
一番最近のコレクション。
倉俣史朗の椅子も。
地下にも家具がずらり貯蔵されています。
イームズの書斎を模した部屋も。
1989年にオープンした「ヴィトラ・デザインミュージアム」フランク・O・ゲーリーの設計。
ヴィトラ社のデザイナーズ家具や椅子のコレクション、年に2回程の企画展があり、今回は2018年プリツカー賞(建築界のノーベル賞)を受賞したインドの建築家バルクリシュナ・ドーシ展でした。
フランク・O・ゲーリーと言えば、このようにグネグネと曲がった有機的な建築が特徴の建築家なのですが、この時期はまだまだアナログ設計。
施工も大変だっただろうと伺えます。
さて、ここから建築ツアーの開始です。
これはアメリカの建築家、バックミンスター・フラー設計のヴィトラドーム(Vitra Dome)。
組み立てと解体が容易にできるアルミニウム管を使用したテント。
これは元ガソリンスタンド。
ジャン・プルーヴェの伝説的作品、プレハブの金属部品からデザインされた小さな建築。
1953年にデザインされ、ここヴィトラキャンパスに移築されたのは2003年。
写真は一緒にツアーに参加していた建築家夫婦のお母さんと娘ちゃん。
右手の赤煉瓦の工場は1994年竣工、ポルトガルの建築家アルヴァロ・シザの設計。
隣りの工場との間にある渡り廊下の屋根もシザの設計。
驚くことに、この屋根は上下に動くようになっていて、雨が降っても廊下で濡れないようにデザインされています。
この建築はイラク出身イギリス人建築家ザハ・ハディドの設計の元消防署(1993年)。
昔工場で大規模な火災があった時に、皮肉にも焼け落ちた消防署の後建て直されたものですが、現在はイベントスペースとして使われています。
消防車が並ぶガレージだったスペース。
柱が一つもない写真右側のシャッターが、全部開きます。
2階は開放感がある食堂やリビングのようなスペースになっています。
続いて日本の建築家ユニットSANAA(妹島和世+西沢立衛) 設計の工場(2012年)。
他の工場が四角い平面の建物に対して、平面が円形のデザイン。
内部は撮影禁止。
真っ白い波板のカーテンのようなファサードが特徴的。
なんと波板のパネルは、なんと1.8m×11m!
隣りの工場との渡り廊下もSANAA設計。
安藤忠雄設計のカンファレンス パビリオン(1993年)。
感じの良いおばさまガイドに、「ここには日本人建築家が設計した建築が二組もあります。ありがとう!」と言ってくださった。確かに2組もいるって凄いことだなぁ。。
ここは、安藤忠雄が日本国内以外に初めて建てた建物だそうで、知らなかったのでびっくり。
ブラジル人参加者が「見てよ TADAO ANDO のコンクリート。パーフェクトだよね!」って言っておりました。
見慣れてしまいましたが、改めて美しいなぁ、と思いました。
高さを抑え地上には1階建てに見えますが、地下には中庭があり、そこに向かって大きな窓が開いていて、安藤忠雄ワールド全開のダイナミックな建築。
ヴィトラ・ハウスは、ヴィトラ社のショールームの役割を果たす施設で、バーゼル出身の建築家ユニット、ヘルツォーク&ド・ムーロン設計(2010年)。
細長く伸びた切妻屋根の家が積み重なったような外観。
切妻屋根のボリュームが産み出す各々の空間自体もとてもいいのですが、それぞれの空間が繋がっている様相がとてもおもしろい建築です。
1Fはショップやカフェ・レストラン。
恐らく建築とか家具とか関係ない人たちもいっぱい。
エントランスからエレベーターで最上階に行き、降りていく感じで見ていくといいと思います。
切妻屋根の家型がそのまま内部空間として楽しめます。
その部屋ごとにテーマの異なる空間デザインで、見ていて全然飽きません。住宅のカジュアルな空間もあればホテルのラウンジのような空間も。
開口部に向かって階段になっているので、「おやこれは座ってのんびりしていいよ、ということだろうか」とも思ったのだけど、勇気がなくて座れませんでしたw
何れにしてもグッドアイデア。
それぞれの空間を繋ぐ階段など、空間同士の繋がりも良く、シークエンスが楽しい。
内部と外部の関わりかたもとても良い。
壁面はどこも白なのだけど、上下を繋ぐ階段の壁面はヌメッとした質感の塗装。
これはいかにも座っていいだろう、という階段も、ファブリックの保護のため立ち入り禁止。
でもソファは座って良かった。
外部にもアウトドア用の家具がたくさんあって、ファミリーがたくさん。
「ヴィトラ・ハウス」はなんだか居心地が良いので、その周囲にも自然と人が集まってきて賑やか。
写真は外で楽しそうにしている子どもを羨ましそうに見ている子どもたちw
エントランス付近。
内部とは全然違う印象の雰囲気で、とても同じ建物だと思えない様相。
「ヴィトラ・ハウス」を出るとこんな感じで駐車場も大きく、夕方になるのにたくさんの人が。
ヴィトラ・キャンパスには実は紹介した建築以外に、子どもが喜びそうなすべり台(アート作品)なんかもあり、ピクニックも楽しそうで、是非たくさんの人に訪れて欲しいと思います!
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