福岡県北九州市の奥地にある河内 藤園。海外サイトで「日本でもっとも美しい場所」に選ばれたことで一躍ブームとなり、行列ができるほどの超絶な人気を誇る藤園。今回は訳あって、五分咲きと満開の2度も訪れてしまいました。
Kawachi Fujien is a small wisteria garden located in Kitakyushu, Fukuoka pref, Japan. Here became known as "Japan's 31 most beautiful places” by CNN America throughout the world. Since then, it become super popular as much as huge queues of people form in front of this garden. I visited twice on May, a half and in full bloom.
Day 12017/05/02
今回はやっと念願の「河内 藤園」を訪問できたので、備忘録がわりに訪問のあらましをまとめてみます。
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2012年、海外のサイト「feedbox」で「実在する世界の美しい場所10選」に選ばれ、
http://travel.feedbox.info/10-beautiful-places-in-the-world-that-actually-exist/
2015年アメリカCNNによる「日本の最も美しい場所31選」
https://www.cnn.co.jp/travel/35064039.html
さらに、こちらでも選ばれた(選ばれてしまった)ため、もはや藤業界では世界一の称号が与えられたと言っても過言ではないほど一躍ブームになった北九州市の河内藤園。
2012年までは知る人ぞ知る山奥の藤園で、せいぜい年間訪問者数1000人程度が来るようなところだったそうで、
しかし、これらがきっかけで見頃となるGWには駐車場4時間待ちという世にも恐ろしい事態が発生し、
あえなく2016年から予約制というシステムが導入されたそうです。
つまり、前売入場券を事前に持っていないと門前払いというシステムです。
前売券は、コンビニ(セブンイレブンかファミリーマート限定)にて、JTBチケットが購入できるプリンターを通じて購入します。
しかも、かなり細かく2時間刻みです。
(例)4/25(火) 8:00~10:00
4/25(火)10:00~12:00
4/25(火)12:00~14:00
4/25(火)14:00~16:00
4/25(火)16:00~18:00
:
(以下、5月14日まで続く)
かなり限定的です。
天気も開花状況も当てにならない中で、ギャンブル性がありますね。
E-TicketやWeb予約が当たり前の今どき、わざわざチケットを買いに出向かなければならない手間を伴わせたところが、藤園オーナーの「そこまでして来たいならいらっしゃい」という本音が漏れて聞こえてきそうです。
(河内 藤園は、あしかがフラワーパークなどと違って私営の藤園のため、もともと厚意で開放してた)
ちなみに、
前売券は一律500円@人ですが、
これはいわゆるデポジット。
見頃に応じてトータルの入場料が変動します。
要するに、
咲き始め、咲き終わり 500円
中間 1,000円
見ごろ 1,500円
高校生以下 無料
※引用公式HP:http://kawachi-fujien.com/
GWの一番の見ごろのシーズンは1500円。
したがって、現地で差額の1000円を支払うことになります。
この予約制については大々的に告知してないこともあり、
「わざわざ現地まで行ったのに入場券がなくて入れない!」といった悲劇を招くことも往々にしてあるようです。
かといって、「はるばる遠方から来たんだから入れて!!」などと文句言っても泣きを入れても、情け無用です。
そこで例外を作るとシステムを導入した本来の目的が崩れるからです。
入りたいなら、近くのコンビニで買って来い、と。
(余りがあれば当日でも購入可能)
そのため、市なども総力を挙げて、道路の電光掲示板に「河内 藤園には入場券が必要です!」みたいな警告文が光るようになりました。
なので、来年狙っている方などは、早めにスケジュールを組み、計画的にチケット購入しましょう!
駐車場は、藤園の前に200台停められるスペースが用意されています。
しかしGWの混雑期はカバーしきれないため臨時駐車場が設置されています。(無料)
乗用車(マイカー、レンタカー)は入場口から徒歩圏の臨時駐車場に誘導されますが、
ツアーなどの大型観光バス、路線バスなどの駐車場は、割と歩く距離に位置していました。
しかも行きは上り坂なので、海外の方など若干しんどそうでした。
しかし、このシステムが導入されてからはすっかり渋滞が解消されたそうです。
関係のない近隣住民にも多大な迷惑がかかっていたそうなので、多少の負担は客にかかっても、システム導入は正解だと思います。
そうして、当日10:00~12:00の部を訪れました。
毎年の満開日データを分析した結果、
「5月2日」なら、おおよそ満開あるいは8分咲き程度でもイケるのでは、と当たりを付けてきたのです。
幸い、訪問の一週間前でしたが、チケットは購入できました。
しかし、気合入れ過ぎて予約の10時より30分も早く着いてしまい、待たされるのか?!と思ったらスンナリ入れました。
スタッフさん曰く、時間制限は、あくまでも車に対してのルールで、入場に対する時間制限は設けていないそうです。
要するに、駐車場に無事停められたら、あとはいつでも入場可、ということです。
(退場は無制限)
案外、ゆるいシステムです。
とはいえ、基本的に予約した時間めがけて車が来場するので、分散化はきちんと果たされ、
園内の混雑も思うほどではなく、ゆったり観賞して歩けました。
この入口で、差額の1000円@人を払います。
狙いを定めてやってきたはずが、
なんと・・・
五~七分咲きでした。ガーン
事前にTwitterで行った人の反応をチェックし
事実はなんとなくわかってはいましたが…
目の当たりにすると、ちょっと悔しい。
当てにならない自然を相手にしたら、
まぁ、予測なんてしてもしなくても同じ…
こうして、
藤の花のつぼみが房にたんまりついています。
園内スタッフさんの話によると、
今年は、例年に比べて1週間も開花が遅れたそうです。
今年の見頃は、今週末の5月7日頃だと。
わぉー
ただし、
日当たりの良い場所によっては、
8分咲き以上もありました。
満開を逃したとはいえ、
このさまざまな藤が織りなす藤のトンネルは絵になりますね。
入口付近にある野田長藤は、
通常70~80㎝にもなるそうですが、
このときはまだ30~40㎝といったところ
トホホ
これはこれできれいなんですが、
いかんせん期待値が高かっただけに、
物足りなさはぬぐえない…
藤のドーム
これは見頃ですね。ほぼ満開。
この規模の藤ドームはあしかがフラワーパークにも無かったので、圧巻です。
外国人の方も天井を見上げて
見とれて立ち尽くしていました…
美しいと思う気持ちは
万国共通ですねぇ
海外の方がここまで来てくれるのは感慨深いです。
藤ドーム内。
星のプラネタリムならぬ、
藤のプラネタリム。
藤の香りがまたかぐわしいのです。
アロマ効果抜群。
こちらは別のドーム。
山藤のような見た目ですね。
ここは、まだ五分咲きぐらい。
これはこれで美しい。
トトロの森のようだ。
これまた別の藤ドーム。
ブドウのようにたわわに実った藤の房、
ピンクが濃い品種の藤です。
ここも満開。
うっとり。
入口の藤のトンネル(110m)を抜け、
藤のドームを横目に過ぎると、
今度は
1000坪の敷地面積を誇る大藤棚のエリアに入ります。
これだけの規模は日本有数だそうです。
こちらのエリアでは、
いくつかの大木が融合して大藤棚を作り上げています。
おそらく野田長藤ですが
こちらもまだ房の長さは、つぼみが目立つ40~50㎝ほど。
今思えば、
足利とは違って、藤に案内板がないのがちょっともったいなかったかなぁ・・・
何がどの藤か分からない。
河内 藤園の特徴は、
一つのエリアにいろんな品種の色の藤が
混ざりあうようにグラデーションになって垂れているところだと思います。
他の藤園の藤棚は、どちらかというと、
たいてい一つの藤棚に一品種が多く、
ここまで大規模な藤のグラデーションは類を見ないと思います。
そうした意味でも、
世界が太鼓判を押すのが分かる気がします。
ピンクと薄紫が混じったような藤棚。
曙藤でしょうか。
女子が好きそうなとってもキュートなパステルピンク。
河内 藤園には、
「野田長藤、口紅藤(薄紅藤ともいう)、赤紫、青紫、紅、白、八重、長・中・短/各種22種類」の品種が植えられているそうです。
しかし、図鑑がないと判別は難しいですね。
ごたごた言わず、美しさだけを感じればいいのかもしれないですが。
大藤棚を一周すると、
大藤棚の展望台のある丘の上へ出る道があります。
藤棚を上から眺める機会はあまりないので、
結構衝撃的でした。
一面紫とピンクと白で埋め尽くされ、
藤の海原のようです。
展望台はちょっとした休憩所になっていて、
ここでランチを楽しむ人がたくさんいました。
基本的に飲食持ち込み可能です。(飲食は所定のところだけ)
ちなみに、
河内 藤園は三脚の類は一切持ち込めません。
しかも、プロの撮影もお断りという、かなり厳格なルール。
あくまでスナップで、と。
もし販売しようものなら法的措置取ります、という強い姿勢です。
ご注意を!!
展望台を過ぎると、
新緑がまぶしい林の小道に出ます。
マイナスイオンで潤ってそうです。
気持ちが清々しますね。
河内 藤園は紅葉も抜群に美しく絶景だそうです。
樹齢30年近くのモミジの木が約700本、中には、樹齢70~80年にもなるモミジの老木が18本もあるとか。
新緑の若いもみじは、
まるで、料亭の料理の飾りつけに使われそうな
品のある美しいもみじでした。
これはここでしか見られないという貴重な八重藤。
「八重黒龍藤」でしょうか。
ブドウの房のように粒が大きくしっかりして、
赤紫が濃い品種です。
八重藤はとにかく香りが甘く、強く、濃く、
アロマ効果抜群です。
うっとりします。
ここで、スタッフの方が観光客に説明していたのは、
藤の手入れの大変さ。
花がちょっとでも枯れるとすぐに摘むそうです。
でないと、余計な養分を取られて来年の開花に影響が出るとか。
また、藤のシーズンが終わったら、一斉に手で、すべての藤の花を摘むそうです。
そうすることで、また来年も大輪の花を咲かせてくれるのだとか。
見えないところで、本当に苦労されてます。
職人ですね…
藤の品種では、
白藤や黄藤は、どちらかというと遅咲きで、
GW過ぎたあたりから満開を迎えるようです。
でも、きれいですね。
五分咲きで、
房の長さが不ぞろいとはいえ、
この色のグラデーションは見ごたえあります。
海外の方も大興奮で写真撮りまくりです。
(海外の方はタブレット構える方が多い気がしますね)
110mの藤トンネルを上から眺めた図。
まさに、文字通り“藤のトンネル”。
上からの眺めは異質な感じ。
藤トンネルは園内に2つあるのですが、
個人的には、
この短い方の80mの藤トンネルの方が、
長藤が少ない割に、
写真映えがするような気がしました。
交互に織りなす藤のグラデーションが
美しいんですよね。
それから、
個人的には、
入口から奥に向かって撮影するよりも、
出口から入口に向かって振り向いて取る方がフォトジェニックだと思います。
光の差し具合が違う。
こうして、
一度目の訪問は1時間滞在程度で終了。
感想としては、
中途半端な10時~12時よりも、
日がしっかり射し込む真昼の方が
藤の花が映えてよいと思いました。
太陽がななめだと、日が陰って鈍い移りになるんですよね。
さて、
次の写真からは、
実は2回目の訪問になります。
Day 82017/05/09
【第2回訪問の巻】
せっかく九州まで来て、
五分咲きだけ見て終わるなんて、
やっぱり諦められない!
・・・ということで、
リベンジしました、性懲りもなく、
レンタカー飛ばしました(汗)
今度こそはとTwitterで毎日人がつぶやく状況を
まめにチェックし再訪タイミングを狙いました。
なお、今年の満開は、園のスタッフの人が教えてくれたように、5月7日前後だったようです。
さすが、目利きもプロ…
前売入場チケットは、
5月5日~6日分は全日完売だったようです。
どれだけの人が訪れたのか想像するだに恐ろしい…
7日は予定があって行けなかったので、
2日後の9日に再訪することにしました。
GWも過ぎ、しかもこの日は朝から結構強い雨、
天候不順な中、12時~14時の部で訪れたときには、
このとおり、駐車場はガラ空き
(写真は第2駐車場)
「兵どもが夢の跡」、
と言わんばかりに人も車も引いてしまっています。
とはいえ、藤にとってはまだ見頃ということで、
入場料は1500円です。
見頃を過ぎてしまったので、
やっぱり100%満開のような興奮する派手さや華やかさはなかったのですが、
それでもこの見事な長藤の咲きっぷり!!
前回とも比べ物にならないぐらい
末端まで咲き誇っています。
長さ80㎝は到達してると思います。
歩くと頭がぶつかるぐらいです!
したたる雨粒がまた、
藤を湿らせて、日本の情緒を感じさせます。
やっぱり、
白藤は比較的後咲きなので、
このときは満開に近い感じでした。
中央の長藤は、前回来たときはまだ半分ぐらい。
日当たり次第で、同じ藤でも今が満開のものも結構あり、ラッキーでした。
ちなみに、GWを過ぎたこの日の園内は、
園内は海外からの旅行客がメイン。
日本人は通常のお仕事モードに戻ったってことですね。
そりゃそうか。
お年を召したシニアの団体客が何グループかいらっしゃいましたが。
前回に比べて圧倒的に人が少なく、
写真は撮り放題でした♪
残念ながら、日当たりの良いところは
すでに枯れ気味で、ハリのない藤が目立ったのですが、
それでも、まだまだ見ごたえありましたよ。
藤のドームはこんな感じ。
房がだいぶ痩せて迫力減。
こればっかりは、前回の方が良かったです。
白藤が満開です。
まるで白のレースカーテンのようです。
こんなところで、
ウェディングフォトとか撮りたいカップルもいるでしょうが、
商用撮影は厳禁なので、無理なんですよねぇ
まぁ、管理が大変ですもんね。
これは黄藤ではなく、
黄色のバラだったか、
こちらも見事に満開です。
風水によさそうなカラーです。
大藤棚再訪。
朝露に濡れて、
藤が色気を帯びているように見えます。
気品がハンパないな。
このしっとり感は、
カラッと晴れたときには見られない艶ですね。
この美しき天然のグラデーション・・・
剪定と言い、作付けが見事です。
カラフルな藤の饗宴。
すべて天然だからこその最高の美ですね。
来年も見事に咲き誇ってくれるように、
園内スタッフはマメに枯れた花房をむしり取ってました。
藤の季節が終われば、
来年に向けて、この藤を一斉に摘み取るんですね。
しかも一つ一つ丁寧に人の手で…
頭が下がります。
2015年は大藤棚が枯死し、
2016年は全体的に花が痩せていたらしく、
今年は例年になく、遅咲きとはいえ、見事な開花だそうです。
当たり年だったか…せめてもの救い。
藤の中でも、
ランのように白と紫の混じった
この藤が一番お気に入り。
気品と高貴さを感じる。
品種は、「紫藤」かな。
再び黒龍八重藤に到着
前回よりもやはり花が痩せてましたが、
でも日当たり部分によっては
今が盛りっぽかったですね。
そして80mの藤トンネルと大藤棚の分岐点へ行くと、
斜め下から見上げる藤もまた
鳥肌立つぐらい見事なことに気づきました。
はじめて来た時は気づかなかった…
前ばかり見ていて。
視界を埋め尽くす藤の花たち。
しっとり濡れた芝生と
苔むした大木とのコントラストがまた美しい。
ちょっとズームインすると
隙間なく埋め尽くされた、まさに藤の滝というか、
藤の空というべきか、圧巻ですよ!!
ここは穴場の撮影スポットのような気がします。
(わたしだけ?)
こうして、今年の河内 藤園訪問は終わりました。
2度も訪れてしまったけど、
日本が誇る藤を満喫できて、幸せでした。
日本の藤は、ホント世界に誇れると思います。
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最後までご覧いただき誠にありがとうございました。
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