世界中にはそこにしかない絶景が存在する そこでは 他の場所とは比較できないため 特別感が増して 旅のテンションも一気に上がる 長年訪れたいと思い続けたマダガスカルのバオバブ並木道はまさにそんな場所 そこには世界で唯一 巨樹が立ち並ぶ風景が広がり 無我夢中で 気が付けば4時間以上も辺りを散策していた
Day 12012/06/06
バオバブ並木道をいつ訪れるべきかというのは悩ましい問題だ
朝焼けに染まるバオバブか夕日に照らされるバオバブ どちらも甲乙つけがたいが 日の入りに合わせて訪れることに
バオバブ並木道はモロンダバの郊外に位置しているため タクシーをチャーター
50,000マダガスカルアリアリで交渉成立
モロンダバの中心地からは15キロほど離れており 幹線道路からさらに脇道に3キロほど進んだところに並木道が広がる
到着した時は まだ辺りは薄暗く バオバブの輪郭がぼんやりと闇夜に浮かんでいた
タクシーの運転手には待機してもらい 好きな時間に戻ってくればいいとのことだ
普通の観光客なら日が昇って1時間もすればタクシーで街に戻るのかもしれないので ドライバーはそう言ったのかもしれない
しかし 実際はテンションが上がりすぎて4時間以上も滞在してしまうことになる
月明かりに照らされると バオバブの巨樹の姿がうっすらと目に見えるようになってくる
辺りには誰もおらず 神秘的な空間に包まれる
いよいよ地平線がオレンジに染まり始める
テンションが上がり 到着時に感じた肌寒さを忘れてしまう程だ
闇夜が去り ようやく空に明るさが広がる
姿を現したバオバブの巨木のユニークなフォルムに思わず息を呑んで見とれてしまう
遠目にはツルツルにも見える バオバブの樹皮だが 近づいてみると ごつごつしていて 月面のクレーターのようだ
いよいよ待ちに待った太陽が昇る瞬間を迎える
ベスト撮影スポットをいろいろと探してみるものの 思っていたより バオバブの木の数が多くて悩む
撮影場所を探していると 地平線から太陽が姿を見せた
オレンジの光に浮かび上がる バオバブの木は想像を超えるほど 感動的なものだ
あまりに興奮してしまい 周りがよく見えていなかったが この日は他に観光客の姿もなく この絶景を独り占め
日が昇り ついにその全容を現したバオバブ並木道 夢にまでみたこの景色がついに目の前の手の届くところに
すっとまっすぐに天に向かって伸びているかと思いや 少し傾いている巨樹もある
逆光から反対側に回ると 樹皮の色が青空とコントラストとなり 美しさすら感じるフォルムを見せつける
少し離れて見ると 巨木というよりスリムな印象を受ける
夢中でバオバブの木の写真を撮っていると村人発見
写真を撮ってほしいということだったので デジカメに興味でもあるのかと思い 一枚シャッターを切ると 撮影代を要求される羽目に
彼女たちの方が一枚上手だった
日が昇り切ると 朝の生活風景
村人たちがバオバブ並木道を行き来し始める
観光客の視点からは この景色を眺めながら通学や仕事に向かえるのはうらやましい限りだが 村人にとってはもはや特別なものではないのかもしれない
バオバブの木は高さは30メートルにも達し 幹の直径は10メートルほど 手を回してみるとその大きさを実感できる
無我夢中でカメラを片手に散策をしていると 待たせていたタクシードライバーに遭遇
戻ってくるのが遅いから心配したと 気が付けば到着してから4時間以上も経っていた
休むことなく テンションが上がりっぱなし
今まで見たこともない景色にただただ心が動かされたひと時だった
近くではバオバブの実が売られていた
試食させてもらったが 味のほうはいまいち
巨樹は見て楽しむのが一番のようだ
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