パレスチナ自治区に入るとき、「ここから先、ユダヤ人の立ち入りは命の保証をしない」という警告が目に入ってきた。 この警告にもかかわらず、ヘブロンにはイスラエル軍が駐留し、不法なユダヤ人入植者が後を絶たない。 街の至る所にある「警告」の文字。侵入者を阻むゲートと、鉄条網。 イブラヒムモスクに至る道には、頭上の監視小屋に銃を持ったイスラエル兵がこちらを窺っている。 パレスチナ人の家の屋上に上がらせてもらい、もみあげの長く、ユダヤ帽をかぶった超正統派の子供たちが雪合戦しているのが見えた。 彼らは不法な入植者たちで、もともとの住人であるパレスチナ人を迫害し、その土地を奪っている。 ヘブロンではパレスチナ人と軍との間に衝突が絶えない。 僕たちの目には、被害者と加害者は明白なのだが、しかし、ユダヤ人の目には、父祖の地を異教徒から奪還するための戦いと映っているのかもしれないのだ。 このことから分かるのは、人は正当化できる理由さえあれば、どんな非道の行いでもなしうるということだ。 ヘブロンで起きていることは、決して他人事ではないのである。
2013-12-17 - 2013-12-17 , 1days
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