
【イタリア旅行のベストシーズンはいつ?】季節ごとに楽しめるイベントや観光地をイタリア在住者が紹介!主要観光都市のおすすめシーズンをチェック!

穏やかな地中海の気候と美しい自然に恵まれたイタリア。 その風景に溶け込む歴史的な建造物や街並みは、世界中の人々を虜にする魅力があります。 しかし思いのほか緯度が高いイタリア、人々が想像する南欧の天候が年中続くわけではありません。近年は、地球温暖化の影響も。 イタリア在住者が、イタリアのベストシーズンをお伝えいたします。
イタリアのおすすめ観光エリアのベストシーズン
ローマ:雨さえ降らなければほぼ1年中楽しめる街
イタリアの首都ローマは、歩いているだけで次々と美しい教会や遺跡を見ることができる町です。しかし、雨が降るとたちまち困ることになります。遺跡には屋根がないところが多く、ショッピング街にもアーケードなどはなし。
傘が増えると荷物が増えて、スリにも狙われやすくなるというデメリットが。また、石畳に水が溜まって歩きにくいという事情もあります。
逆に、雨さえ降らなければほぼ1年中楽しむことができます。ただし、8月の酷暑のローマは観光に注意が必要です。遮るものがない太陽にじりじりと照らされることになるためです。
春や秋のローマは、街路樹の変化とともに美しい景色を楽しめます。
フィレンツェ:盆地のため夏と冬は厳しい
京都と姉妹都市であるフィレンツェは、京都同様に盆地にある町です。
そのため、冬は冷え込み夏は蒸し暑いという運命から逃れられません。
一方で、ボッティチェッリが描いた『春』を感じさせる4月・5月は観光には絶好のシーズンといえます。春や秋の過ごしやすい季節は、トスカーナ州のどこを訪れても美しい景色を楽しむことができます。
8月の猛暑の時期は、観光にも注意が必要です。長蛇の列に並ぶ時間や遮るもののない街中の散策など、体調と相談して慎重に観光しましょう。ボボリ庭園など、緑が多い場所を見学するのも一興かも。
ベネチア:カーニバルの時期は防寒の徹底を
世界で類を見ない唯一無二の海の都ベネチア。
北イタリアに位置するベネチアは、冬場の冷え込みが厳しいことで知られています。カーニバルが行われる2月、防寒は徹底してベネチアを訪問してください。
夏の気温は30度前後なのですが蒸し暑さを感じることも。
そしてベネチアで最近問題になっているのが、高潮の被害です。降雨と高潮が重なると、町に水があふれてしまう現象です。秋から冬にかけて起こりやすいため、インターネットで情報収集をし、観光用の装備に配慮してください。
ミラノ:冬は冷え込みが厳しい北イタリアの玄関口
イタリアの北の玄関口ミラノ。
ミラノは、冬はかなり気温が下がります。霧や雪に見舞われる日も多く、いかにもヨーロッパの冬という雰囲気になります。
夏場も、日中と日没後の気温に差がある日もありますので、臨機応変に対応できる服装が理想的です。
地中海の太陽がまぶしいイタリアを想像していると、ミラノの曇り空の多さにびっくりする方もいるかもしれません。北イタリアは、雨や曇りの日も少なくなく、折り畳みの傘や撥水のジャケットなどが必要になることも。
ナポリ:夏の観光は強い日差しにご用心
南イタリアは、まさに私たちが頭に描く地中海のイタリアを絵にかいたような気候が特徴です。
四季はもちろん存在しますが、耐えがたいほどの極寒や酷暑はまれ。とくに、サマータイムの夕暮れ時は、甘い空気が漂います。
春や秋などの季節のいい時期は、体に負担にならない気温や天候で観光が楽しめることうけあい。冬には、たまさかに寒波がやってきますが、通常は東京よりも過ごしやすい気温です。
夏は、日本のような湿気はないものの、日差しはかなり強くなります。とくに、ポンペイなどの遺跡を見学する場合には、暑さへの対策が必須。
シチリア島:乾いた空気と強い日差し大作を
乾いた空気と貪欲な太陽が特徴のシチリア島。
イタリア人のバカンス先としても人気のシチリア島は、夏は海を目的にやってくる人々でにぎわいます。夏の日差しは非常に強く、乾燥した空気も相まって、とにかく水分補給をこまめにする必要があります。
春や秋はとても過ごしやすく、15~20℃ほどの気温が続きます。海を目的としていない観光ならば、春や秋がおすすめです。柑橘類の花香る季節でもあります。
夏はほとんど雨が降らないシチリアですが、秋から冬にかけてはこのかぎりではありません。南国とはいえ、四季ははっきりしていますから冬の防寒は必要。ただし、10度以下になる日はまれです。
お肌の乾燥対策もお忘れなく!
サルデーニャ島:青い海と青い空をほぼ1年中楽しめる
海が美しく手つかずの自然が残るサルデーニャ島。
6月から9月まで、イタリア人だけではなくヨーロッパ中からのバカンス客が絶えません。
サルデーニャ島も、1年を通してとても過ごしやすい気候で知られています。
真夏の午後は非常に気温も上がるために、人々は屋内でのんびりとやり過ごす風習があります。しかし、真夏でも夕刻は気持ちよく過ごせる空気が漂います。
冬も10度以下になることは珍しいうえ、年間を通じて降雨量も少ないサルデーニャ。
ハイシーズン以外の季節も、充分に訪れる価値ありです。
カプリ島(青の洞窟):降雨量と潮の満ち引きがカギ 青の洞窟の見学
富裕層のバカンス先として大人気のカプリ島。
島内は車の使用が禁止されているため、美しい島をのんびり歩いて散策できるのが魅力です。もちろん、富裕層向けのお店もズラリ。
ハイシーズンのカプリ島は、30度を超える真夏日もありますが、概して空気が乾燥しており過ごしやすい気温です。ただし、午後の数時間は日差しが強くそぞろ歩きも厳しいかもしれません。朝晩は、涼風が立ちますからさらっと上に羽織るものがあると便利です。
真冬は5度以下になることはほとんどありませんが、カプリ島にわたる船上は冷えますのでご注意を。
カプリ島の観光の目玉「青の洞窟」は、その年の降雨量や潮の満ち引きによっては見学不可能になることもあります。
ドロミテ:ユネスコの世界遺産となった大自然を歩くのは夏が最適
2009年にユネスコの世界遺産に認定された、北イタリアのドロミテ。
3000メートル級の峻厳な山がつらなるドロミテは、山好きにはたまらないハイキングコースといわれています。
イタリアという国のイメージとは一味違うアルプスの大自然は、やはり夏場がもっとも過ごしやすい季節。麓の町ポルツァーノの最高気温が20度を超える6月から9月が、ベストシーズンです。ちょうど、高山植物が美しい季節とも重なります。
トレッキングを楽しみたい人は夏ですが、スキーを堪能したい方はもちろん冬。1月2月の厳寒期は-10度以下になることも多いドロミテ、雄大で手つかずの自然を堪能できます。