
【イタリアのチップ】食事や宿泊時に必要なチップの金額と目安とは?イタリア在住者が語る現在のチップ事情

かつては日本人を悩ませた海外におけるチップの風習。 チップの風習は現在、徐々にすたれてきているといわれています。 しかし、まったくゼロになったわけではありません。どんな時に、どの程度のチップが必要なのか。チップが必要でない場合は? イタリア在住者がチップの現状をご説明いたします。
こんにちは。Compathy Magazineライターのcucciolaです。
日本にはなくて海外に根付いている風習のひとつに、チップがあります。
請求された料金以外に、サービスを利用した側の「気持ち」として渡すお金がチップです。タイミングや額については、慣れない日本人には頭が痛いところです。
実はこの風習、イタリアでも少しずつ廃れつつあります。
とはいっても、全くなくなってしまったわけではありません。基本としては、サービスに満足した場合にお礼の気持ちを込めて渡す、というのがスタンスです。
実際にはどんな場面で、そして相場はどのくらいなのか、イタリア在住者がチップの現状をご報告いたします。
■目次 1ページ目: イタリアのチップとは?習慣と文化/相場・目安・計算方法 - イタリアのチップとは?習慣と文化について - イタリアのチップ相場・目安・計算方法とは?何パーセント必要? -- チップの計算方法(消費税を含む/含まない) -- 現金(コイン/紙幣)・クレジットカードでのチップの支払い・渡し方 -- チップとして使用可能な通貨 -- チップが不要な場所・場面 2ページ目: ホテル・宿泊(ベットメイキングなど)のチップと相場・支払いタイミング - 空港からホテルへの送迎のチップと相場 - ホテルランク別のチップと相場 - コンシェルジュやポーターへのチップと相場 3ページ目: 食事(レストラン・カフェ・外食など)のチップと相場① - リストランテ(高級レストラン)のチップと相場 - トラットリア(大衆向きレストラン)のチップと相場 - オステリア(庶民的な食堂)のチップと相場 - ピッツェリアのチップと相場 4ページ目: 食事(レストラン・カフェ・外食など)のチップと相場② - ファストフード(マクドナルドなど)のチップと相場 - カフェ(コーヒーやジェラートなど)のチップと相場 - バール・パブのチップと相場 - コペルト(テーブルチャージ) 5ページ目: 移動と観光時(運転手・トイレ利用など)のチップと相場 - タクシー(運転手・ドライバー)へのチップと相場 - 観光時(ツアー参加・トイレ利用など)のチップと相場 -- ツアーガイドへのチップと相場 -- 施設内のトイレ利用時のチップと相場 -- 大道芸者へのチップと相場 6ページ目: 買い物(スーパー・コンビニ)のチップと相場/チップでのトラブル - 買い物(スーパー・コンビニ)のチップと相場 - チップでのトラブル - あわせて読みたい!イタリアの観光情報 -- 【イタリアの物価】賢く散財する秘訣をイタリア在住者が解説します! -- 【ローマの治安】地下鉄や夜の外出など、旅行者の不安材料である「治安」情報を解説!
イタリアのチップとは?習慣と文化について
西洋に残るチップの風習は、レストランや宿泊所で働いていた奴隷たちに、客がわずかな金額をお礼として残していくという風習がもとになっています。
そのため、基本としては感謝の気持ちを表現する金額で問題ないのです。
しかし、カプリなどの観光地ではかなり悪質なチップの要求が行われているようです。とくに、「青の洞窟」に入る小舟の船頭さんたちはあちらからチップを要求してきます。
フィレンツェ、ミラノ、ローマなどの観光地では、レストランやホテルでサービスに満足した場合に手持ちの数ユーロを置いていく風習はまだ残っています。
ただし、チップには税金がかかりませんので「義務」ではありません。
イタリアのチップ相場・目安・計算方法とは?何パーセント必要?
チップの計算方法(消費税を含む/含まない)
実際にチップを渡すとなると、悩んでしまうのがその額です。
チップは義務ではありませんから、適当な小銭がなければ渡す必要はありません。かつては、ガイドブックにタクシー料金の何パーセントをチップとして渡したほうがいいという記述もありました。
しかし、現在は多くても5ユーロまで。逆に、1ユーロでは中途半端に少ないので2ユーロ以上がスマートなチップの額といえます。
イタリアの消費税は高く、一般的に22パーセントの税が内税となっています。チップには税金がかかりませんので、観光客にチップを強制する場合も多いようですがそれは法律違反。しつこい場合は、警察に通報しましょう。
チップの相場:2~5ユーロ
現金(コイン/紙幣)・クレジットカードでのチップの支払い・渡し方
旅行中は、換金の面倒を避けるためにクレジットカードでの支払いが多くなってきました。
また、イタリアは日本のように常にお釣りが十全に揃っていることばかりではないので、クレジットカードはスーパーや食料品店でも使用できます。
レストランなどでチップを渡したい場合は、食事をしたテーブルの上に3~5ユーロを残しておけばOK。これは、現金で支払う場合もクレジットカードを使用する場合も変わりません。バールでは、立ち飲みのテーブルの上にチップ用の入れ物が置かれていたりします。この場合は、10セント単位を残しておけば御の字です。
チップとして使用可能な通貨
大きな観光都市では、ドルや円で支払える店も少なくありません。これは、まとめて換金できる大規模なお店にかぎられてきます。
また、こうしたお店でも外貨での支払いは紙幣にかぎられることが多いのが実情。そのため、チップをユーロ以外のコインで渡されても、貰った方は困惑するだけでしょう。
チップはあくまで、現地の通貨で渡すのが意義のある行為といえます。適当なユーロの小銭がない場合は、下手に外貨で渡すよりも何も渡さないほうがスマートです。
また、どうしても感謝を伝えたい場合は、小銭にこだわらず5ユーロ札を渡すのも手段です。
チップが不要な場所・場面
繰り返しますが、チップは義務ではありません。イタリアの国の法律には、チップを強要する項目は一切ないのです。
また、最近はチップに関しても合理化が進み、サービス料やトイレの使用料金は定額を請求されることもあります。チップの額に頭を悩ませるシチュエーションはだいぶ少なくなっています。
チップが必要でない場合は、客としてサービスに不満がある場合。邪険に扱われたと感じた場合は、レストランやホテルでもチップを残す必要はゼロです。
また、有料トイレの外に小銭を請求する女性がいる場合も、ジプシーである可能性が高いのでお金は渡す必要はなし。