【スペインの宗教】キリスト教とイスラム教の文化融合のあるスペインの信仰割合は?16世紀の宗教裁判・教会建築・宗教美術と併せて現地在住の筆者が紹介

人々の生活に宗教や他文化が溶け込んでいるスペイン。例えば人の名前や祝日はキリスト教に由来するものが多く、また料理ではバターよりオリーブオイルやラードがよく使われるなど、目線を変えるとヨーロッパとアフリカの間で揺れ動いた歴史が見えてきます。今回はそんなスペインを、宗教という点からフォーカスして現地在住者が解説します。

AfterコロナのNewスタンダード?
\ CompathyGOバーチャル旅行、はじまりました! /


スペインのキリスト教の歴史

ここで過去にさかのぼり、スペインにおけるキリスト教の歴史を見ていきましょう。
イベリア半島は紀元前200年ごろ、ローマ帝国の領土であったころに最初にキリスト教化が進んだとされています。他の西洋諸国と異なるのは、ここでイスラム勢力の侵攻にあい(西暦710年ごろ)、その後、約800年もイスラム支配の時代が続いたこと。スペインはイスラム文化の影響を強く受けました。

その後、数々の攻防やレコンキスタを経て1492年にイスラム最後の砦とされたグラナダが陥落。カスティーリャ王国のイザベルとアラゴン王国のフェルナンド2世の結婚により成立していたスペイン統一王国のもと、再度スペインはキリスト教領土として定着していきました。

 

16世紀の宗教裁判と魔女狩り

スペイン王国として、キリスト教国としての再出発を果たしたスペインですが、長きにわたるイスラム支配を経て国内には多くの民族が混在していたため情勢はとても不安定でした。
経済的に豊かだったユダヤ教徒への不満が高まって各地で反ユダヤ暴動がおこり、それが宗教裁判(異端審問)につながります。並行して、些細なことから魔女と疑われ厳しい拷問や処刑が行われる魔女狩りも16世紀を中心にヨーロッパに広がっていきました。

このころのヨーロッパは終わりの見えない百年戦争、悪政、飢饉や伝染病の流行など不安要素が多く、暗黒時代と呼ばれています。誰もがお互いに疑心暗鬼だったこの時代は、17~18世紀ごろにようやく終息に向かいます。

 

サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路

その間、イスラム支配時代も南部ほど影響を受けなかった北部では、813年、ガリシアのサンティアゴ・デ・コンポステーラでイエスの十二使徒ヤコブの墓が発見され大聖堂が建てられます。ここにエルサレム、バチカンと並ぶキリスト教三大巡礼地サンティアゴ・デ・コンポステーラ大聖堂が誕生しました。

大聖堂までの巡礼路はスペイン語で「エル・カミノ」と呼ばれ人々の交流点となっていきました。ここに到達すると受け取ることができる証明書は、中世、カトリック教徒の贖宥符とされていたのだそうです。
宗教観が多様化した現代でも「いつかは巡礼路を歩きたい」という声がよく聞かれます。また、巡礼ルートは複数あり、世界遺産に登録されています。

 

スペインのキリスト教・教会建築と宗教美術

Provided by foursquare-icon-16x16

そんな歴史の中ではぐくまれた宗教美術、建築物は、ヨーロッパ諸国観光のハイライトです。
サグラダファミリアで有名なモデルニスモ様式は19~20世紀の建築様式ですが、時代を遡ると、スペインでは10~12世紀の半円の天井や窓が特徴的なロマネスク様式がよく用いられていました。12~15世紀にゴシック様式、16~18世紀にバロック様式が広がります。

そして、忘れてはならないのがイスラム建築の影響です。幾何学模様を多用したムデハル様式の建物はアンダルシアを中心に今も残っています。
また、教会装飾を語るうえで欠かせないのが宗教画家の存在。スペインの歴史に名を残す2人の巨匠と、筆者がおすすめする2つの教会をご紹介しましょう。
 

16世紀の宗教画家:エル・グレコ

エル・グレコ」は1541年にギリシャに生まれた画家で、作風はマニエリスムともバロックともいわれます。
ヴェネツィア、ローマ、スペインと転々としますが、サント・ドミンゴ・エル・アンティグオ修道院の祭壇衝立や、トレド大聖堂の『聖衣剥奪』が大きな反響を呼んでスペインを中心に活躍の場を得ることに。実に、グレコの残した作品の80%以上が聖人画を含む宗教画とされています。

エル・グレコの作品の多くは、スペインではトレドやマドリードのプラド美術館などで鑑賞することができます。また、エル・グレコ自身は、トレドのサント・ドミンゴ・エル・アンティグオ修道院に眠っています。
 

16世紀の宗教画家:ディエゴ・ベラスケス

バロックの巨匠「ディエゴ・ベラスケス」は1599年にスペインのセビリアに誕生しました。幼いころから有力画家に弟子入りし、18歳で独立。1623年、スペインの首席大臣の紹介で描いた国王フェリペ4世の肖像画が気に入られて宮廷画家の道を歩むことになります。

多くの画家が肖像画を描くとき実物以上に描こうとするものですが、ベラスケスは人物をありのままに描く画家でした。彼の描き出す肖像画には、その人物の人となりがにじみ出てくるような魅力があったとされています。
ベラスケスの代表作『ラス・メニーナス』『東方三賢者の礼拝』『バッコスの勝利』など、多くの作品がマドリードのプラド美術館に所蔵されています。

 

トレド大聖堂(カテドラル・プリマダ・デ・トレド):複数の様式が取り入れられている荘厳で美しい教会

トレド大聖堂(カテドラル・プリマダ・デ・トレド)」はムデハル様式、ルネサンス様式、ゴシック様式などが取り入れられた荘厳で美しい教会です。
現在、トレドには大司教座がおかれていて、スペインにある約23,000のカトリック教会の総本山となっています。大司教座にふさわしい建物を造るようフェルナンド3世より命を受けて1226年に着工し、約2世紀半という時をかけて完成したといわれています。

また、大きさとしてもスペインで1、2を争う規模。高さ約30メートルの主祭壇や高さ90メートルの鐘楼、トランスパレンテなど見どころも数多く、ぜひゆっくりと時間をかけて鑑賞したいスポットです。

教会名:トレド大聖堂(カテドラル・プリマダ・デ・トレド)
住所::Calle Cardenal Cisneros, 1, 45002 Toledo
公式・参考サイト:トレド大聖堂

 

ブルゴス大聖堂(サンタ・マリア・デ・ブルゴス大聖堂):世界遺産!スペイン北部ブルゴスの大きく美しい大聖堂

View this post on Instagram

@mamaico44がシェアした投稿

ブルゴス大聖堂(サンタ・マリア・デ・ブルゴス大聖堂)」は、スペイン北部ブルゴスに建つ大きく美しい大聖堂で、世界遺産にも登録されています。
美しいドームやファザード、回廊、バラ窓など多くの見どころがあります。また、ここには多くの資料が保存されている他、カスティーリャ王の宮殿として使用された歴史もあり、スペイン史を語るうえでも重要なスポットの1つ。レコンキスタの英雄エル・シッドもここに奉られています。
セビリア大聖堂、トレド大聖堂とともにスペインゴシックの三大大聖堂に数えられているこの大聖堂は、サンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼路上にあることもあって訪問者が後を絶ちません。一見の価値ある教会です。

教会名:ブルゴス大聖堂(サンタ・マリア・デ・ブルゴス大聖堂)
住所:Plaza Santa María s/n 09003 Burgos, Spain.
公式・参考サイト:ブルゴス大聖堂

 

 

1 2 34
AfterコロナのNewスタンダード?
\ CompathyGOバーチャル旅行、はじまりました! /


Compathy Magazine編集部

Compathy Magazine編集部

Compathy Magazineは、「タビ」や「カイガイ」への固定概念を超えて、新たな旅の魅力や価値観、それを実現する新しい旅の方法を届けたいという想いから生まれました。 世界各国に住む現地の人々の声、旅に役立つ情報やツールを紹介しながら、旅にまつわる偏見を無くしていきます。 ■関連する旅行記・旅行計画作成サイト: Compathy



関連する旅行カテゴリ

# スペインの宗教 # スペイン

関連する旅行記事