モダンと自然が融合した傑作アアルトの自邸とフィンランドの作品を巡ろう

フィンランド ヘルシンキ都市部から少し離れたアアルトの自邸はモダニズムと自然の調和を感じることのできるアアルトの傑作です。外観や内観はもちろん、家具まで自身でデザインしており、アアルトのこだわりを心ゆくまで感じることができます。アアルトの自邸やアトリエ、代表作を楽しめるツアーに参加してみてはいかがでしょうか。

こんにちは。Compathy Magazine編集部です。

北欧の近代建築に大きな影響を与えたフィンランドの建築家、アルヴァ・アアルト。建築はもちろん、都市計画から家具まで手がけ、フィンランドのモダニズム建築をリードしました。

フィンランドの人々の暮らしを変えたといっても過言ではない、建築界の巨匠も今年2018年で生誕120周年。日本でも約20年ぶりにアアルトの本格的な回顧展が行われ、その偉大さに改めてスポットがあたっています。

この機会にアアルトの作品の素晴らしさを実感しに、フィンランドへ渡ってみるのはどうでしょうか。今回はアアルトの自邸&アトリエのほか、おさえておきたいアアルトの建築作品を紹介します。

アート好きならおさえておきたい!アアルトの自邸&アトリエを拝見!

フィンランドの自然と調和させた空間はまさにアート!ヘルシンキに建つアアルトの自邸

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ヘルシンキ中央駅から北西へ5km行った住宅地。閑静で緑豊かな地にアアルトの自邸はあります。

白塗りのレンガとダークブラウンの木張りの壁、「いかにもフィンランドらしい」といった感想が浮かぶ、こじんまりとした佇まいの家にアルヴァ・アアルトとアイノ・アアルトは40年に渡り暮らしていたと言います。

暖かい時期になると建物が蔦を多い、まるで自然と一体となっているかのような印象を受けます。モダンながらも、森のなかに溶け込むようなデザインはまさに北欧の巨匠アアルトの自邸の作品の1つです。

モダンながらも自然の温かみを感じる室内。ふんだんに使われた木材でできた空間は、大きな窓から見える風景と溶け合い、自然の中でともに暮らしす温かさを肌で感じることのできる空間になっています。

実はアアルトと日本には意外な共通点が。アアルトの自邸やスタジオには日本の障子やふすまにインスピレーションを受けたかのようなデザインが随所に見られます。実際に日本を訪れたことはないようですが、アアルトは日本の建築や文化を称賛していたとも言われています。

Photo credit: Adam Burt via flickr cc

溢れんばかりの光が差し込む窓辺。そこにはアアルトの好きだった観葉植物が並べられています。外の自然と中の暮らしの間に当たる窓辺に植物を置くことで、2つの空間に繋がりを持たせているといいます。

自邸の窓辺や庭では、「植物は建築の一部」と考えていたアアルト、造園家のもとでランドスケープを学んだ妻アイノの自然へのこだわりを感じ取ることができます。当時そこに暮らしていたアアルト夫妻を身近に感じることのできる一角です。

Photo credit: Jun Seita via flickr cc

自邸の外観や内観はもちろん、使っていた家具もアアルト自身がデザインしたものがほとんど。「蜂の巣」の愛称を持つペンダントライト「A331 BEEHIVE」も近未来的なデザインながら、どこか自然物のような雰囲気を醸し、やはり室内と屋外の自然を繋ぐ役割を果たしているように感じます。

Photo credit: Jun Seita via flickr cc

幼少期のアアルトは、森林の測量技師だった彼の父のオフィスにある大きな白い机でよく遊んでいたそうです。父の机には仕事で使う地図やコンパス、縮尺計が置かれており、アアルトはそれを使って絵を描いていたと言います。

その経験にルーツがあるのか、アアルトのデザインは自然との調和や自然の有機的な形状を活かしたものが多いです。アアルトの自邸には、父と同じ白い机が置かれ、そこから数多くのインスピレーションが生み出されたことでしょう。

■スポット情報:アアルト自邸
住所:Riihitie 20, 00330 Helsinki, フィンランド
電話番号:09 481350
営業時間:13:00~16:00
定休日:月曜
公式・参考サイト:アアルト自邸
Googleマップ:アアルト自邸

 

自邸のほど近く。アアルトの仕事へのこだわりを感じることのできるアトリエ

Photo credit: Leon via flickr cc

自邸から15分ほど歩いた場所、閑静な住宅街の坂道にあるのがアアルトのアトリエ。50歳を迎えたアアルトにはヘルシンキ工科大学やフィンランド国民年金会館といった大規模なプロジェクトが次々と任されるようになります。自邸の仕事場では手狭に感じはじめて建てられたのがこのアトリエです。

自邸とは異なり、アトリエは仕事場らしい無機質な雰囲気。油断していると通り過ぎてしまうほどシンプルな造りをしています。

室内に足を踏み入れるとアアルトの設計らしい、特徴的な大きな窓が。白を基調にデザインされたアトリエスペースには日が差し込み、心地の良い空間が広がっています。

また、アトリエスペースにはアアルトがデザインしたパイミオチェアやスツール60などの名作や、建築模型に図面の展示も。落ち着ける空間にアアルトのデザインした傑作が並び、建築やデザインが好きな方なら長居したくなってしまうような場所です。

アトリエの2階にあるのは製図室。一般的な製図室のイメージをいい意味で裏切られる、そんな場所でアアルトや従業員は働いていました。

傾斜のついた屋根は、窓から取り込んだ光を反射して従業員の手元を照らしてくれるそうです。光の使い方のうまいアアルトらしい製図室です。

打ち合わせ室でも図面が展示され、当時の仕事ぶりをありありと感じることができます。アアルトはこのアトリエで何を感じ、何を表現しようとしていたのか、感じながら見るのも楽しいですよね!

■スポット情報:スタジオ・アアルト
住所:Tiilimäki 20, 00330 Helsinki, フィンランド
電話番号:09 481350
営業時間:11:30~12:30
定休日:月曜
公式・参考サイト:Alvar Aallon ateljee | Studio Aalto
Googleマップ:Alvar Aallon ateljee | Studio Aalto

 

自邸だけじゃない!フィンランドで見るべきアアルト作品

ユヴァスキュラの労働者会館

Photo credit: Leon via flickr cc

ユヴァスキュラの労働者会館はアアルトがまだ駆け出しだったころ、コンペで採用された初めての公共建築です。周辺の建物がすべて木造だった当時、コンクリートでできた労働者会館は街のシンボルとして愛されたと言います。

そして90年以上経った今でも現役。大切に使われ、アアルトがフィンランドの方から愛されていることがよく分かる建物です。

パイミオ・サナトリウム

パイミオ・サナトリウムはアアルトの建築人生初期の傑作とも呼ばれる建物。

当時のヨーロッパではモダニズム建築を実践する動きが起こり、近代建築に関する試行錯誤がされていました。そんな中、アアルトがコンペで勝ち取ったパイミオ・サナトリウムでは格子状の窓や水平に連続する窓など、機能を追求するモダンなデザインが施されています。

パイミオ・サナトリウムは結核患者のための療養施設ですが、当時のアアルトは医療施設を設計した経験はありませんでした。しかし逆に経験が無いことで、今までの医者本位の医療施設から脱却し、患者視点の療養所を建てることができたんです。

大きな窓は不安な入院患者の心を和らげ、優しく温かみのある木材をつかったしなやかなチェアまで設計しました。モダニズムを追いながらも、人間性を重視するアアルトの設計は非常に大きな影響を与えたと言います。

マイレア邸

Photo credit: Ninara via flickr cc

マイレア邸はアアルトのデザインした建築の中で最も美しいとされる住宅作品です。アアルトが手がける家具ブランドアルテック社の出資者であるマイレ夫妻のために建てられました。

自然に囲まれた広い庭にはプール、白塗りとブラウンの木材でできた壁はとても美しく、モダンながらいかにも北欧らしいデザイン。自然の曲線美を活用し始めたアアルトは庭のプールにもその曲線を採用。周りの自然とマッチする非常に美しい庭が広がっています。

室内の目玉は、居間とエントランスをゆるく隔てる、竹林のような壁。丸棒を使ってつくられたものですが、日本の竹をモチーフにしているそうです。他にも柱に藤を巻くなど、日本やアジアの伝統建築の特色を活かしたデザインを見ることができます。

セイナッツァロ役場

Photo credit: Leon via flickr cc

白い壁を使うことで印象的だったアアルトですが、セイナッツァロ役場を設計したことを堺に赤レンガを使った赤い壁をデザインすることが多くなります。

これまで植物や庭園を活用し、アアルトと共に設計をしてきた妻のアイノ・アアルトが1949年に亡くなります。悲観にくれるアアルトに舞い込んだのがこの町役場の設計。町役場の設計には妻やアアルト自身も愛した地中海沿岸地方に見られるレンガを使った様式を取り込むことになります。

Photo credit: Leon via flickr cc

内部にも赤レンガや木材を使い、特徴的な大きな窓は温かみを感じる室内に設計されています。中期の名作として知られる夏の家も、このレンガ使いを活かした作品に仕上がっていきます。

ムーラツァロのコエタロ(夏の家)

Photo credit: Timothy Brown from Chicago (Alvar Aalto – Muuratsalo house) [CC BY 2.0], via Wikimedia Commons

北欧では夏休みをサマーハウスで過ごすのが習慣になっています。リゾート地の豪華な別荘とは違い、都心から離れた自然豊かな場所で静かに過ごすための場所がサマーハウスです。

アアルトがムーラツァロにサマーハウスとして建てたのがムーラツァロのコエタロ(夏の家)です。とてもシンプルで静かに過ごすことのできる空間でありながら、実は様々な試みがなされています。基礎を使わない、太陽光を使った暖房設備、多様な煉瓦の積み方と、アアルトはここでもインスピレーションを磨いたのでしょう。

アルヴァ・アアルト美術館

Photo credit: Tiia Monto (Own work) [CC BY-SA 4.0], via Wikimedia Commons

ユバスキュラのアアルト通りにある美術館、アルヴァ・アアルト美術館はアアルトの白の壁を多く使用した時代を代表する建物です。アアルトのデザインした家具や設計したモデルが展示されているのはもちろん、カフェスペースやテラススペースに置かれたテーブルやチェアもアアルトのデザイン。どこまでもアアルトのデザインを楽しめる美術館です。

アアルトの作品から見る魅力は機能美と自然美の融合!

フィンランドの建築を牽引するモダニズムの父 アアルト

Photo credit: Ilkka Jukarainen via flickr cc

大学卒業後、ユヴァスキュラにオフィスを構え建築家としてのキャリアをスタートしたアアルト。彼が亡くなる1976年までフィンランドはもちろん、世界中を魅了する作品を生み出しました。モダニズムが叫ばれ始めた初期より優れた作品を生み出し続けた彼はもはや、北欧だけでなく世界のモダニズム建築を牽引した1人と言っても過言ではないでしょう。

また、自邸やパイミオ・サナトリウムなどに見られたようにアアルトは家具のデザインまで行い、北欧を代表する家具ブランド「アルテック」も立ち上げています。完成されたシックでモダンな造形美で、時代や国を超えて広く愛されるブランドです。

フィンランドの風土と文化が生んだ、人間と自然を繋ぐ巨匠 アアルト

Photo credit: Didriks via flickr cc

当時のモダニズム建築を牽引した建築家とアアルトの一番の違いは、自然を活かし、人々の生活と繋げるデザインを行ったことです。フィンランドの風土と文化を愛し、自然の景観や地形に根ざしたモダンの中にも温かみを感じる作品は、近代建築家の中でもファンの多い理由でしょう。

フィンランド語で波を意味する「アアルト」。アアルトの自邸を手がけた30年代前半から、アアルトの作品には波のような曲線を描かれることが多くなります。まるでフィンランドの湖のようなその曲線はアアルトの目指した自然と人々が繋がった生活を実現するエッセンスになっていることでしょう。

「形には中身が伴っていないければいけないし、中身は自然に繋がっていなければいけない」

その言葉を建築の指針としたアアルトは、自身が生まれ育ったフィンランドの自然や森林測量技師であった父、植物や庭園をこよなく愛した妻のアイノ・アアルトからの恩恵を受けて、広く深く愛される巨匠になったのかもしれません。

アアルトの作品が日本で見れる!アアルト展が開催中

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2018年はアアルトの生誕120周年。アアルトの作品が日本で見れる回顧展「アルヴァ・アアルト – もうひとつの自然」が開催されます。展覧会は9月15日(土)から始まり、2019年にかけて4会場で開催予定。オリジナルの図面や家具、建築模型を通して、アアルトの生涯と作品を辿る内容です。

開催場所は神奈川県立近代美術館、名古屋市美術館、東京ステーションギャラリー、青森県立美術館。最初の会場の神奈川県立近代美術館では代表作であるパイミオ・サナトリウムの一室が再現されたり、アアルトのデザインを体感できる特設コーナー「アアルト ルーム」がつくられるなど、見どころ多し!

本格的なアアルトの回顧展は日本では約20年ぶりとなり、アアルトの作品を実際に見ることのできるチャンスなので、ぜひ訪れてみてください。

アルヴァ・アアルト - もうひとつの自然
会期:2018年9月15日(土) 〜 11月25日(日) 9:30〜17:00
休館日:月曜日(9月17日、9月24日、10月8日は会館)
会場:神奈川県立近代美術館 葉山館 第2・3展示室
巡回予定:
名古屋市美術館 2018年12月8日(土) 〜 2019年2月3日(日)
東京ステーションギャラリー 2019年2月16日(土) 〜 4月14日(日)
青森県立美術館 2019年4月27日(土) 〜 6月23日(日)

作品の魅力は写真だけじゃ分からない!アアルトの世界をフィンランドで実感しよう

アアルトの作品を実際に見た方はこう語ります。

「室内に入ると、自然との繋がっている感覚を実感できた。外からや、ましてや写真だけでは分からない雰囲気を感じ取れた。」

アアルトの作品に限らずですが、建築の魅力はやはり現地に足を運び、実際に目で見て、匂いや音を感じて、肌で感じることで実感することができます。モダニズム建築の中でも傑出したアアルトの作品を現地に見にいってみるのはいかがでしょうか。

そこでおすすめしたいのがパーパスジャパンのツアー。自邸やアトリエのあるヘルシンキや最初のオフィスを構え、数多くの作品が建てられたユヴァスキュラでアアルトの傑作を見学することができます。この記事で紹介したアアルトの作品のほとんどを巡ることができますよ!

個人で作品を見学しに訪れ、予約が難しかった、現地での対応に困った等漏らす方は多いですが、パーパスジャパンならその心配はいりません。予約はもちろん日本語、見学にも日本語ガイドが案内してくれるのでアアルトの作品やアアルト自身のことを深く知ることができます。

北欧のモダニズム建築を牽引した巨匠アアルトの作品を心ゆくまで楽しんでみませんか?

 

また、パーパスジャパンではアアルトの他にも、モダンデザインの源流となったバウハウスやミニマルアートの巨匠ドナルド・ジャッドの作品を巡るツアーなど、建築家やデザイナーの作品を巡るツアーも多数揃っています。自分好みのツアーを探してみるのもいいかもしれませんね!

さいごに

アアルトの作品を通して、アアルトの魅力が伝わったでしょうか。モダニズム建築文化が始まった初期から、機能美だけの建築から離れ、自然美を融合させたアアルトの作品は他の建築家の作品とは違った魅力があります。

記事ではそんなアアルトの代表作を紹介しましたが、その魅力をしっかりと感じるためにはやはり実際に現地に足を運ぶしかありません。アアルトの回顧展が行われていたり、アアルトの作品を巡ることのできるツアーがあったりと実際に触れるチャンスが増えてきたので、これを期にアアルトの作品を巡ってみませんか?

 

Manepa Card

本記事は(株)パーパスジャパンさまのご協力により作成したタイアップ記事です。
(タイアップ記事についてのお問い合わせは、(株)ワンダーラストまで)

Compathy Magazine編集部

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Compathy Magazineは、「タビ」や「カイガイ」への固定概念を超えて、新たな旅の魅力や価値観、それを実現する新しい旅の方法を届けたいという想いから生まれました。 世界各国に住む現地の人々の声、旅に役立つ情報やツールを紹介しながら、旅にまつわる偏見を無くしていきます。 ■関連する旅行記・旅行計画作成サイト: Compathy



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