
スイス・フランス国境の大自然を渡る「モンブラン・エキスプレス」の旅

ヨーロッパに行って、やらなければならないのは鉄道の旅だと思います。自然絶景をみながら鉄道の旅になる。今回は、スイス、フランスと一緒に経営するモンブラン・エキスプレスをご紹介します。では、さっそく見ていきましょう。
Compathy Magazineライター、阿佐智です。
ヨーロッパと言えば、鉄道の旅がひとつの魅力です。とくにスイスは鉄道大国と言って良く、愛称のついた様々な列車が走っています。その多くは、展望が効くよう、天井まで届く大きな窓を備えています。
今回ご紹介するスイス・フランス国境を渡る「モンブラン・エキスプレス」もその一つです。「エキスプレス」とはいうものの、それは名ばかりで、実際はスイスのローカル線とフランスのローカル線を乗り継ぐ各駅停車の列車です。私が乗った日はあいにくの天候でしたが、晴れた日はこれでもかという絶景をみながらの列車旅になること間違いなしです。
スイス側マルティニを出発
スイス側の起点はマルティニ。町を見下ろす丘に小さなお城がある素敵な町です。ローマ遺跡もあるので、乗り換えに余裕のある人は、散策してもいいでしょう。
マルティニからの列車は、だいたい1時間に1本。フランス国境を越えてすぐのヴァローシンヌまで行きます。ここまでだいたい1時間の旅です。車内販売などはないので、車内でなにか飲み食いしたい場合は、駅近くでなにか調達しておきましょう。
出発してすぐに、電車は急こう配を登ってゆきます。かなりの勾配で、ラックレールなしでよく登れるなと感心します。坂を登り切ると、そこからはもういかにもスイスという高原の風景が広がります。天気が良ければ、どこかで途中下車してランチにするのもいいでしょう。ちなみに乗車券は1日有効です。
シャモニー谷へ
行き方と料金
「モンブラン・エキスプレス」は、マルティニからフランス側のサン・ジェルヴェ・レ・バンまでの列車ですが、実際は、ヴァローシンヌで鉄道会社が変わるので乗り換えます。
国境駅・ル・シャトラール・フロンティエールの次が、ヴァローシンヌです。ここはもうシャモニーモンブラン・エリアです。こことシャモニ・モンブラン駅の間は、日中は30分ごとに列車があります。この駅をまたぐ形で最初のロープウェイがありますので、すぐに乗り換えず、登ってみてもいいでしょう。往復で17ユーロ(2050円)です。但し、このロープウェイは、シャモニー地区を網羅するモンブラン・マルチ・パスに含まれていますので、滞在日数なども考えて、別途料金を払って乗ってみるか、投宿後、パスを入手して再度訪問するのか決めてください。ここの乗り場でもパスは買えます。
このあとは、ひたすら下りです。ヴァローシンヌを出て40分ほどでシャモニー・モンブランに到着です。この区間の列車の半分ほどは、この先、終点のサン・ジェルヴェ・レ・バンまで運行されています。沿線には、各展望台に上るロープウェイ、登山鉄道への連絡駅がありますので、シャモニー観光でも利用することになります。
役に立つ情報と注意点
シャモニー各地区で宿泊すれば、カルト・ドットという区域内のバス、鉄道(フランス国鉄運営のモンブラン・エキスプレス路線)が無料で乗車できるパスがもらえるので、これを活用して下さい。但し、鉄道もバスも、南方面はサン・ジェルヴェ・レ・バンの手前のセルヴォーズまでしか使えませんので、注意してください。鉄道の場合、区間外まで乗車の際は、乗車駅から降車駅までの乗車券を買うルールになっています。しかし、実際は、モンブラン・トラムウェイで山を下り、サン・ジェルヴェ・レ・バンからシャモニーに戻りましたが、セルヴォーズまでの切符を買って乗車し、検札も受けましたが、そのままシャモニーまで乗っていても問題はありませんでした。
また、この路線は、スイス・トラベルパスもマルティニ・シャモニー間で使用できます。なので、パスの最終日、この路線で使い切れば効率のいい旅ができます。逆にフランス側からスイス側へ入る場合は、その日の宿泊地まで運賃が、パスの一日分の料金を下回るような場合(鉄道しか使わない場合は、よほどの距離を乗らないと元は取れません。シャモニー・ローザンヌ間でも鉄道運賃は6000円ほどです)は、どのみちヴァローシンヌで乗り換えるので、ここまではカルトドットを使い、以降の乗車券を買って宿泊地まで行くのも手でしょう。
この記事に関連するCompathyログブック(旅行記ブログ)
モンブランエキスプレスでスイスからフランス・シャモニーへ
モンブランと言えば、ケーキを連想する人が多いかもしれませんが、フランス・スイス・イタリア国境にあるアルプス最高峰なんです。これを見るべく山岳鉄道に乗ってシャモニーを訪ねました。
■Compathyログブック(旅行記)ページ
モンブランエキスプレスでスイスからフランス・シャモニーへ
おわりに
以上、モンブラン・エキスプレスを紹介いたしました。スイスの愛称付き列車の中では比較的マイナーなものですが、景色は他の有名路線にひけをとりません。シャモニーへはパリからだと国内路線だけ、あるいはバスでアクセスできますが、できれば片道はこの路線を使うことをお勧めします。
ライター:阿佐智