
クック諸島にもあった!地元でも人気なクラフトビールを紹介

今回は南太平洋の楽園、クック諸島のクラフトビールをご紹介します。旅行者のニーズに応えて、クック諸島にも地ビールブランドが立ち上がりました。最後に老婆心ながら、ひとつだけ注意しておきます。地元の人と飲む場合、ペースに巻き込まれないように!
Compathy Magazineライター、阿佐智です。
ひと昔前までは「地ビール」と言われていた、ご当地の小規模醸造所(マイクロブリュワリー)で作られる手作りビール。今では英語の「クラフトビール」として日本でも静かなブームになっていますが、この傾向は実は世界的なもの。
旅先で出会ったアメリカ人も、彼の住んでいるサンディエゴだけでも100を超えるマイクロブリュワリーがあると言っていました。そして、太平洋の島国にもその波は押し寄せています。
南太平洋に浮かぶ島国、クック諸島。酒屋に行けばニュージランドやオーストラリア、さらには日本のビールまで手に入ります。しかしせっかくここまできたのであれば、地元ブランドのビールが飲みたいもの。そんな旅行者のニーズに応えて、クック諸島にも地ビールブランドが立ち上がりました。

ラロトンガビール
地ビールが飲めるレストランバー

トレーダージャックスのバーカウンター
ここのバーカウンターではキンキンに冷えた2種類の地ビールが味わえます。タップにはラガーとアメリカンペールエールの2種類のロゴが描かれていますが、これらを作っていた醸造所はどうやら今はないようで、別の醸造所からビールを仕入れているようでした。
ということで、さっそくクック諸島、地ビール探索の旅にでることにしました。
工場見学をしながらビールを堪能!「マトゥトゥ・ブリュワリー」
首都アバルアからバスに乗り、ラロトンガ島随一のビーチリゾートとして有名なムリビーチの少し先まで行くと、ティキオキ(Tikioki)村に着きます。ここにブリュワリーがあります。その名は「Matutu」。マオリ語で「強い」という意味らしいです。島を一周する環状道路沿いに看板が出ているのですぐに分かります。
その看板から山手に延びる未舗装路を少し入ると、小さな小屋があります。これがブリュワーリなんです。日本でビール工場と見学というと、大手ビール会社の一生かかっても飲みきれないほどのビールが詰まった大きなタンクを目にしますが、クラフトビールの醸造所なんてこんなもんなんです。

マトゥトゥブリュワリー
このブリュワリーでは数種類のビールを作っていますが、レギュラーのブランドは、ドイツスタイルのラガー、「Mai」とイギリススタイルのペールエール、「Kiva」。これに季節に合わせて他のビールも出荷するそうです。
ここのオジサンのビール好きは筋金入りで、醸造所の壁には一面世界の様々なビールの瓶が並んでいます。見学客の中には、自分の国から瓶ビールをもって来てプレゼントしている人もいました。

マトゥトゥブリュワリーの壁面に並ぶ各国のビール瓶
最近できたラロトンガ・ブリュワリー
クック諸島の地ビール業界では、ここ数年、マトゥトゥの独占状態が続いていましたが、そこに昨年登場したのが、ラロトンガ・ビールです。現在、トレーダージャックスにビールを卸しているのはこの醸造所のようです。
場所は、空港の目の前。ターミナルからは、アロランギ方面へ800メートルほど歩くことになります。環状道路の海側に立っているいかにも新しそうな2階建ての小さな建物にはいつも地元の男たちがたむろしています。
ここはバーカウンターを併設していて、できたてのグラスビールを飲むことができます。2リットル入る、茶色のペットボトルとアルミ製のボトルも売っていて、一度これを買えば、グラスビールよりお得なので、地元の人は、グループでやってきてこれを満タンにしてグラスに注いで飲んでいます。

ラロトンガブリュワリー
以上、今回は、南太平洋の楽園、クック諸島のクラフトビールをご紹介しました。最後に老婆心ながら、ひとつだけ注意しておきます。地元の人と飲む場合、ペースに巻き込まれないように!
ライター:阿佐智