【アートを通じてその国を知ろう!シリーズ】アートサイエンスミュージアム「宇宙と芸術展」を通じてシンガポールについて考える。

シンガポールのアートサイエンスミュージアムで開催されている、「宇宙と芸術点」。宇宙という存在を芸術的にどう表現するかをテーマとしたこちらの展覧会は、

こんにちは。Compathy MagazineライターのSeinaです。
私は家族とシンガポールで生活しています。

シンガポールを訪れる日本人観光客にも大人気なマリーナベイサンズ。この施設の中のアートサイエンスミュージアムにて、現在開催されているのが「THE UNIVERSE AND ART(宇宙と芸術展)」です。「宇宙」という絶大な存在を、化学的・芸術的にどのように表現するか」をテーマにしたこちらの展覧会は、日本の森美術館と協力して開催されています。日本で開催された「宇宙と芸術展」の巡回展になりますが、「巡回って同じ展示なんでしょ?」という感覚は勿体無いと私は思うのです。

開催する国によって、また開催される会場によって、展覧会は自在に変化するもの。今回は、美術館は少し敷居が高いと感じている人も楽しめるように、「宇宙と芸術展」の3つの作品とシンガポールという国の歴史や現状を絡めて紹介してみたいと思います。

「竹取物語」を眺めながら、シンガポールの恋愛を考える

日本人なら誰でも知ってる『竹取物語』。それをモチーフとした「竹取物語絵巻」の前で、鑑賞者皆さんが足を止めています。

竹取物語といえば、竹から産まれた美しいかぐや姫に求婚するために、5人の貴公子が彼女からの難題に挑戦するという物語。シンガポールの男性も女性からの「難題」に常にチャレンジしています。
男性は女性に尽くすものというのがこの国の基本スタイル。電車やバスに乗っていると、花束を抱えて急ぐ男性によく出会います。
なぜ男性が尽くすのかは、おそらくシンガポールでは基本共働きのため社会進出をしている女性が多く、彼女たちがはっきりと要求を伝える傾向があることが理由だと思います。次々と難題を提示し、そして最終的には帝の求婚まで断ったかぐや姫は、シンガポール男性からみたら”究極の女性”に見えるのかもしれませんね。

セクシーロボットと向き合いながら、シンガポールの”セクシー”を考える

シンガポールでは、セクシーな表現を加えた本や絵、フィギアを公共の場で売ったり、配ったりする行為は罰金の対象になります。数年前まではアートフェアでもバストアップヌード展示はとても難しい状況でした。しかし近年アート界において芸術表現の解釈の変化があり、こちらの”セクシーロボット”も無事にこの展覧会に参加することができたという経緯があります。

セクシーロボットとは、空山基の「女性の身体美を極限まで理想化したスーパーリアルなロボットフィギア」です。1979年に発表された「セクシーロボット」は、エアブラシで写実では不可能な「極限の理想」を描いた作品で、その後の一般的なロボットのイメージに大きな影響を与えたと言われています。ちなみに一斉を風靡した「AIBO」も、空山基デザインなのだとか。

多くの鑑賞者は好奇心大でこの作品に足を止めますが、次の瞬間なんだか懐かしい表情で彼女を眺めます。究極の女性美を体言するこちらの作品から懐かしさを感じるのは、実は彼女が”熟女”だからかもしれませんね。

’‘moon’ score,から奏でる音を聞きながら、シンガポールの音楽教育を考える

こちらの作品「’‘moon’ score: ISS Commander – Listening to it on Mars, now. 」は、日本の作家・野村仁による、月を元にして音符を定義しそれを音楽にして奏でるという作品です。

宇宙で撮影された月のクレーターが、そのまま五線譜となってそれぞれ異なる音を奏でるこちらの作品。鑑賞者は思わず足を止めて音楽に聞きってしまいます。森美術館のアソシエイトキュレーター椿玲子さんのお話によると、「森美術館での開催の時はこの音楽のCDは売ってないのか」という問い合わせが多かったほどの人気なのだとか。

実はシンガポールの公立小学校には、日本のような音楽の授業が存在しません(音楽はCCAと言われる課外授業があります)。そのため音楽のイメージが身近ではなく、なおかつ「なんか簡単にできるんじゃないの?」と思われがちなんだそうです。
現在はシンガポールの大学などで音楽を通じて、自分をプレゼンテーションする課外授業なども積極的に行われているそうです。こちらの作品の前で足を止めてるシンガポール人がいたら、実はその人が音楽に出会った瞬間を目の当たりにしているのかもしれませんよ。

おわりに

今回は森美術館からの巡回展、「宇宙と芸術展」からの作品を通じてシンガポールの文化をご紹介してみました。今後もシンガポールやほかのアジアの美術館で開催されている展覧会の作品を通じて、アジアの文化をご紹介していきたいと思います。
芸術作品の解釈とその土地の文化や環境をリンクさせれば、美術鑑賞がより楽しくなりますよ!みなさんもぜひお試しくださいね。

ライター:Seina Morisako

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*Seina Morisako「ART AT ASIA(アジアで感じたアートたち)

Seina Morisako

Seina Morisako

アジアの現代アートと伝統芸能をこよなく愛すシンガポール在住のブロガー。海外子育て中故「子連れ旅」、「教育 in 外国」等少し変わった視点込で色々追いかけています。ブログ:別客气

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