ハンマームの楽しみ方は?イスラムの国々を巡るのに知っていて損はないお風呂事情

イスラム圏には「ハンマーム」と呼ばれる公衆浴場が多くの町にあり、そこへ足を運べば、地元の人と一緒に体を癒すことができます。今回はイスラム圏のハンマーム事情を紹介。伝統的な建物のハンマームは今や遺産的な存在にもなっています!

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こんにちは! Compathy Magazineライターの阿佐智です。
海外を旅していると、「あー、お風呂に浸かりたい」と思うこともあるでしょう。旅中はシャワーだけという人も多いはず。お湯がたっぷりはられた湯船にのんびり浸かる入浴方法が日常的になっているのは東アジア圏くらいです。

イスラム圏には「ハンマーム」と呼ばれる公衆浴場が多くの町にあり、そこへ足を運べば地元の人と一緒に体を癒すことができます。そのため、イスラムの国々では、安く旅しながら、ゆっくり銭湯気分が味わえます。

私はウズベキスタンへ行ったとき、サマルカンドでこのハンマームを体験しました。そこで今回はイスラム圏のハンマーム事情を語っていきたいと思います。

古代ローマに源流のあるハンマーム

イスラムの国々のお風呂屋さん、ハンマーム。中央アジアの国々にもこれはあり、今でも多くの人々が利用しています。その源流は古代ローマの公衆浴場にあると言われ、東ローマ帝国を征服したイスラム帝国の拡大によって各地に伝わったそうです。

もともとは蒸し風呂、つまりサウナで、半地下のドーム型の屋根が特徴的な建物が多いです。入り口の番台で入浴料を払って中に入り、ひな壇上になっている脱衣場で服を脱ぎ、サウナ室へ向かいます。荷物は多くの場合、そのまま丸めて置いておくというパターンがほとんど。そのため、貴重品は持っていかないほうがいいでしょう。

現在では日本と同じように、どの国でも多くの家庭にシャワーがつくようになったので、その数は減っています。そのせいか都市部の便利なところにあるものは、観光客用になっていることが多く、入浴料も日本円で2000~3000円ほど。そういうところは非常にツーリスティックで地元民との交流は期待できませんが、ロッカーを完備していることが多く、セキュリティ面は安心できます。

シルクロードのハンマーム事情

ウズベキスタンのサマルカンドにも数件のハンマームがありますが、レギスタン広場近くにあるものは、観光客用のものでした。私は20分ほど歩いたところのハンマームに行き、入浴料は1500スム(70円)ほどでした。観光客用は500円ほどらしいのですが、それでも安いです。ハンマームの多くにはあかすりのサービスがあります。こちらは少々値が張って1万5000スム(700円ほど)でした。

「お風呂屋」と言っても、日本のような湯船があるのは稀です。ほとんどはサウナ室とシャワーだけのものが多く、お湯はそれが溜まっている水槽から洗面器でくみ出すというのが標準的なハンマームです。なかにはシャワーだけというのもあります。過去に私が利用したもののうち、カザフスタンのシムケント駅近くのもの、イランのテヘランの町中のもの、アフガニスタンのバーミヤンのものはシャワーのみでした。

その他の国のハンマーム事情

石造りのドーム型をした伝統的な建物のハンマームは今や遺産的な存在になっています。そういったハンマームの多くは改装され、お値段もグレードアップし、多くの観光客を迎えています。

ニコシアのハンマーム

北キプロスのハンマーム

ギリシア系とトルコ系の住民対立から南北ふたつの国に分かれている地中海の島国のキプロス。国土の中心に位置する首都ニコシアはコンクリート壁によって分割されており、北側のトルコ人地区には中世期に立てられたハンマームが残っています。ここは今でも営業を続けています。

価格は観光客向けになっており、垢すり込みだと日本円で3000円くらい。しかし建物が古いせいか、サウナといっても冬場は対して温まりません。お風呂より建物の内部見学を目的として訪れたほうがいいでしょう。実際に見学目的だけの人も結構いました。

温泉ハンマーム

ヤロワ温泉(トルコ)

わざわざ行くなら湯船に浸かりたい人もいるでしょう。温泉地に行けば、ハンマームも湯船付きのところが多くあります。トルコ第一の観光都市・イスタンブールには至るところにハンマームがあり、そのほとんどはツーリスト用のもの。イスタンブールからアジア側に渡り、バスで1時間ほどの場所にあるヤロワという町は温泉地として知られ、温泉ハンマームがいくつもあります。

また、イスラム圏ではありませんが、カフカス南麓のグルジア共和国の首都トリビシにも温泉地区、エジプトの首都カイロにも土産物屋が集まるハーン・ハリーリの一角に地元民用のハンマームがあります。

私がこれまで行った中でとくに気に入ったのは、シリアとイエメンにあるものです。シリアの首都ダマスカスの旧市街中心には観光客用のハンマームもありますが、迷路のような横丁を歩いて行った先に地元民御用達のハンマームがありました。入浴と垢すり500円ほど。

サナアのハンマーム

サナア(イエメン)のハンマーム

イエメンの首都サナアのものは建物も歴史的価値があるもので、200円ほどで地元の人との交流も十分に楽しめました。残念ながら両国とも現在は内戦中で、旅行者が足を踏み入れるようなところではなくなっています。止まぬ争いのニュースが入って来るたび、ハンマームで出会った人々は今も健在だろうかと心配になるとともに、平和が訪れることを心から祈ります。

ライター:阿佐智

阿佐智

阿佐智

188か国を渡り歩いた放浪人。残りは非承認国家含めて11か国。かなり入国困難なところが残っているのが悩み。



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