近頃情勢が悪化しているイスラエルで感じたこと

イスラエルの情勢が、近頃かなり悪いようです。そのきっかけの一つとなったのは、去年7月に起きたユダヤ過激派によるパレスチナ人に対する放火・殺害事件。僕の行った時期(2013年12月)のエルサレムは何十年ぶりの雪景色で、クリスマスの時期とも重なってロマンチックでした。

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こんにちは、Compathy Magazineライターの天野です。
イスラエルの情勢が、近頃かなり悪いようです。そのきっかけの一つとなったのは、去年7月に起きたユダヤ過激派によるパレスチナ人に対する放火・殺害事件。

そして9月にユダヤ教、イスラム双方の聖地である、エルサレムの「神殿の丘」のアルアクサモスク(この場所はイスラムの指導者によって管理され、ユダヤ教徒は参拝を許されていません)が、イスラエル当局によって閉鎖されたことを契機に、パレスチナ人の不満が爆発しました。

それ以来、ユダヤ人を狙ったナイフ殺傷事件や銃撃事件と、それに対するイスラエル治安部隊の報復が相次いでいます。2016年に入ってすぐ、新年気分も冷めやらぬ1月2日にも、テルアビブで銃乱射事件があり、緊張が収まる気配はありません。一部では第三次インティファーダ(民衆蜂起)勃発を懸念する声も出ているようです。

Photo credit:Adrian Paszylk「Jerusalem」

Photo credit: Adrian Paszylk「Jerusalem

自分が旅した街で起こる暴力

テレビで様々なニュースを見ていると、僕が歩き回ったエルサレムのダマスカス門近くのバスターミナルや旧市街の街中で、刀傷事件や暴動、投石が起きているのです。それを見たときには、なんとも言えない複雑な気分になります。

僕の行った時期(2013年12月)のエルサレムは何十年ぶりの雪景色で、クリスマスの時期とも重なってロマンチックでした。ただ、後述しますが歩いているだけなのに雪玉をぶつけられ、トラブルになったこともありますし、この国特有のピリピリした緊張感は確かにありました。

それでもエルサレムは全体的に平穏が保たれており、嫌な思いをすることはあっても危険とまではいかず、普通に旅行ができました。しかしその平穏な雰囲気は、街中を巡回する治安部隊によって、不満を力で押さえつけた上に築かれたものであり、きっかけ一つで、いつでも爆発しかねないものだったという気がします。

イスラエルで経験したトラプル

普通に旅行ができたといっても、やはりトラブルが他の国より多かったのは事実です。街中で、歩いているだけなのに顔に雪をぶつけられたこともありました。

僕は怒り、その相手を追いかけて一発パンチを浴びせると、相手も怒って揉め事に。周りに人が集まり、仲裁してくれたので事なきを得ましたが、狭い路地に連れて行かれそうになったときに抵抗しなかったら、どうなっていたかわかりません。

これ以外のときにも、雪はしょっちゅうぶつけられました。投げてくるのはたいていパレスチナ人の子供か若者です。おそらく日頃ユダヤ人に抑圧されている鬱憤が溜まっているのでしょう。

ただユダヤ人にそれをやると射殺されてもおかしくないので、見ただけで間違いなくユダヤ人ではないとわかるアジア人を集中して狙ってきたような雰囲気がありました。雪を投げるという方法を選んだのは、投石が主な対抗手段だったインティファーダの影響もあるかもしれません。

トラブルは尽きず、夜にバスがなくなり、仕方なくタクシーに乗ると、法外な値段を要求されました。半値まで値切ったものの、車という密室の中なので怖かったです。

他にも、夜歩いていて話しかけてくる男がいたので無視したら、「Fuck you!」と言われたこともあり、日本人の女性旅行者で、歩いているときに執拗に男に付きまとわれたという人もいました。

トラブルを起こしてきたのは、残念ながら皆パレスチナ人でした。
しかし、親切なのも同じパレスチナ人なのです。

パレスチナ問題には、格差問題の一面が

僕はパレスチナ問題とは一種の格差問題なんじゃないかという気がしました。パレスチナ人が旅行者に雪をぶつけたり、ぼったくったりしてくるのは、彼らが抑圧され、貧しいからではないでしょうか。その彼らが、明らかに境遇も豊かさも、武力も差のあるユダヤ人と隣り合わせに暮らしている…。貧しさが問題なのではなく、身近に差があることが「格差問題の本質」なんじゃないかと思うのです。

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Masashi Amano

Masashi Amano

大学では仏文学を専攻し、世界の文化、歴史全般に興味があります。2013年6月から一年間世界一周し、訪問国数は約50。「旅人」という生き方の価値観や人生観、その角度から見えてくるもの等を書いてみたいと思います。



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