
【コラム】大航海時代のポルトガルと中華が混ざり合うマカオ

マカオはなんとも面白い街だ。簡体字が羅列する中華圏独特の商店街があるかと思えば、隣の一角に足を運ぶと一変し、ヨーロッパのメルヘンチックな街並みが広がり出す。東洋の相反する雰囲気が融合する不思議な世界。それが「マカオ」なのだ。
マカオはなんとも面白い街だ。簡体字が羅列する中華圏独特の商店街があるかと思えば、隣の一角に足を運ぶと一変し、ヨーロッパのメルヘンチックな街並みが広がり出す。
東洋の相反する雰囲気が融合する不思議な世界。それが「マカオ」なのだ。この不思議な街は、一昔前までポルトガルの領地だった。それゆえ世界のどこを探してもない、ポルトガルと中華圏の雰囲気が混ざり合った、独特の世界観を醸し出している。
歴史散策ウォーキングルートを進んでいくと、次々とポルトガルに存在しているような教会や街灯、広場などが出現し、果たしてここがマカオなのか、ポルトガルなのか、なんだかよく分からなくなってくる。はるか遠くに存在する、西洋の国家に迷い込んでしまった気分だ。
大航海時代のエッセンスが残るポルトガル料理と、中華料理が融合して進化した「マカオ料理」も、ここでしか味わえない独自の文化。その昔、ポルトガルからマカオへの航路の途中にあった植民地インドや東南アジアの香辛料や食材が、ポルトガル料理に加わり発展したものがマカオ料理なのだ。
マカオ半島の水辺の近くの、緩やかな風が心地よい一角にたどり着き、ポルトガル料理とマカオ料理が食べれるという少しレトロなカフェに入ってみた。
アンティーク調のペダルや舵取り、色褪せた航海の風景が写し出されるポスター。穏やかな時が流れ、ふと顔を上げれば目の前は海。
そんな古き良きカフェでマカオ料理を口にしていたら、いつの間にか大航海時代にトリップした気分になっていた。
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文・写真:KANA。世界を飛び回るトラベルフォトジャーナリスト。人々の暮らしや世界観を写真と文で表現。多数のメディアで旅の連載を持ち、ガイドブックも手掛ける。 Instagram@xxxkanaaaa。