「 I am Deaf.(私は耳が聞こえない)」世界一周に旅立つ女の子たちに聞いてみた

旅先ではどのように情報収集したりコミュニケーションを取るのでしょうか?聴覚に障害をもつ田原知佳さんと吉武麻奈恵さんは、2015年12月末から約一年間をかけて世界一周旅行に旅立ちます。今回はお二人に、様々な話を伺ってみました。

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いま、あなたには何が聞こえますか?
日常生活の中で「音」による情報は、自分が意識している以上に多いものです。音が聞こえない状態での生活、ましてや旅をするとなったとき、それが簡単ではないと、きっと誰もがわかるはずです。

聴覚に障害をもつ田原知佳さんと吉武麻奈恵さんは、2015年12月末から約一年間をかけて世界一周旅行に旅立ちます。今回はお二人に、様々な話を伺ってみました。

左より:田原知佳さん、吉武麻奈恵さん

左より:田原知佳さん、吉武麻奈恵さん

ー旅先ではどのように情報収集したりコミュニケーションを取るのでしょうか?
吉武麻奈恵(以下、吉武):聴覚を使うことは厳しいので、視覚情報がメインになります。なので、あたりを見まわして、その場の雰囲気を感じとり、看板の文字などから情報を集めることが、旅の第一歩ですね。身振り手振りもかなり使いますし、相手の表情もよく見ます。国によってはアイコンタクトで通じたり、表情が柔らかいので助かります。また筆談も重要になってきます。

田原 知佳(以下、田原):私たちは全く耳が聞こえないので、コミュニケーションを取るのは簡単ではないですが、身振り手振りでなんとかなることも、結構多いです。海外では現地の人と声を使ってのコミュニケーションが難しくなります。まだ経験したことはないですが、緊急事態が起こった場合などは筆談でなんとかしなくてはならないと思います。

ー旅行中に何か不自由に感じることはありますか?
吉武:最初に苦戦したのは入国審査でした。
田原:そう、入国審査! 相手がなんて質問したのか、わからないので困ります。今は筆談で「 I am Deaf.(私は耳が聞こえない)」って伝えて、すんなりとクリアできるようになりました。
吉武:「耳が聞こえない!」というジェスチャーをすれば、他の人より早く通過できることもたまにあります(笑)。不自由に感じたことといえば、ツアーを頼んだのにツアーガイドさんが来なかったことでしょうか。集合場所などの放送があっても、わからないので焦りましたね。
田原:バリアフリーが進んでおらず視覚情報が少ない、おまけにコミュニケーションも取りづらくて迷子になりそうになったこともありますね。海外旅行はいつ何が起こるかわからないので、もし何があった場合、積極的に現地の人に問いかけるように努力するしかないかと思います。

田原知佳さん、エジプトにて

田原知佳さん、エジプトにて

ー今までの旅で印象に残っているエピソードはありますか?
田原:今まで22ヶ所の海外へ行ったなかで最も印象に残ってるのはカナダです。3日連続でオーロラを見れたときの、あの感動は忘れられません。あとはアメリカですね。ジェスチャーを交えて明るく「OK!」「Thank you」とか返事してくれて、楽しくコミュニケーションが取れたんですよ。「アメリカの人は何て自由なんだろう!」と思いましたね。
吉武:私はケニアが特に感動しました。ヌーの大移動をちょうど見ることができたんです。圧倒的なスケールの中で、何万頭ものヌーが移動する地鳴りや、生命のエネルギーが身体全体に押し寄せてきたあの瞬間は忘れることができません。

ー他の国のろう者と友達になったり、手話で話すことはありますか?
吉武:健常の世界は広くて浅い。逆にろう世界は狭くて深いといわれてます。
田原:ろう者の場合は共通の友達が意外といるんですよ。
吉武:なので、世界各地にろう者の友人を作るのは簡単で、初めて会った海外のろう者でも警戒心をあまり抱くことなく、あっさり連絡先を交換したり国際交流できたりします。
吉武:国それぞれの手話は違いますが、日本と韓国、中国は少し似てますね。アラブや中東のほうは珍しい手話表現をしていて興味深いです。中指を立てるポーズは日本では「お兄ちゃん」という意味を持つ手話ですが、国によっては「ファックユー」になるので、つい使って誤解されたらえらい事になりますね(笑)。

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Eika Akasaki

Eika Akasaki

トラベルフォトライター。 世界中をカメラとMacを持って飛び回る。 宗教や文化、各国の女性やファッションに興味をもち追い続けており、著名人へのインタビュー記事も多く扱う。ウエブサイト:Eika Akasaki Photographer



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