「旅人美容師」 桑原淳 − 彼の人生に迫ってみた(前編)

ヘアカットをしながら旅を続ける「旅人美容師」の桑原淳さん。世界さまざまな都市の路上や公園、観光名所などでカットをし続け、1000人の髪を切ることを目標に旅を続けていましたが、今年の7月ペルーのクスコでその目標を達成。今回は今までのインタビューでは迫ることのなかった、彼の人生についてお聞きすることができました。

こんにちは。Compathy MagazineライターのKenjiです。
ヘアカットをしながら旅を続ける「旅人美容師」の桑原淳さんをご存知でしょうか? 世界さまざまな都市の路上や公園、観光名所などでカットをし続け、1000人の髪を切ることを目標に旅を続けていましたが、今年の7月ペルーのクスコでその目標を達成されたそうです。

時は遡りますが今年の5月、わたしがブエノスアイレスに滞在中、偶然にも彼と同じ宿に居合わせたことから、今までのインタビューでは迫ることのなかった、彼の人生についてお聞きすることができました。

桑原淳、美容師としての原点

Photo credit: 桑原淳さんの提供

Photo credit: 桑原淳さんの提供

―職業として美容師を意識しはじめたのはいつごろですか?

中学校1年生の頃ですね。たまたま親がお世話になっている美容室に行ったときから憧れの気持ちが芽生えました。それ以降はずっと自分で自分の髪を切っていて、その当時は自信満々で「もう働けるんじゃない?」とか思ってました(笑)。

でも実は中高時代はずっと学校外でバンドをやっていて、将来はバンドマンでもいいかなって思っていました。だから当時は「絶対なりたい」というよりも、何となく美容師になりたいなって…。そのくらいでしたね。

―どのような高校生活だったのでしょうか?

ぼくは高校では工業科に入って、そこでラグビー部に入部しました。地元の怖い先輩が結構ラグビー部に所属していて、「入れ!」って言われて…。それで一応ラグビーもやりながら、バンドもずっと続けていました。

遅刻や欠席が多くて結構グダグダやってたんですけど、高校3年生のときに進路を考えはじめ、東京の美容専門学校について調べていたら、夏休みが長いところがあって、「ここだ!」って決めちゃったんです(笑)。部活とバンドの他にバイトもしていたので、その給料を貯めて卒業してから東京に行くときの資金にしようと思っていました。

―東京に出てからというのは、やはり大変だったのでしょうか?

専門学校は毎日9時から16時まで授業で、他に課題もあったので忙しかったんですが、高校時代とは違って真面目に通っていました。東京に出てきた時点で、気持ちは完全に切り替わっていましたね。せっかく東京まで出てきてるんだから、っていう意地もありましたけど。2年間皆勤で行くことができました。

そして専門学校を卒業してからは、東京の青山のお店に勤務することになりました。前からそういうおしゃれな場所で働きたいと思ってたので、毎日終電で帰ったり、大変でしたけど楽しくて充実していましたね。そこで2年ほど働かせてもらったんですが、その後、他店舗に異動になってしまって、もともと青山に憧れていた部分もあったので異動後にはギャップに苦しみました。

それで異動してから4ヶ月で辞めてしまったんです。

辞職、そして旅へ

Photo credit: 桑原淳さんの提供

Photo credit: 桑原淳さんの提供

―辞職後はどうしましたか?

とりあえず時間もできたので、日本をまわってみようかなと思って、2カ月くらいでヒッチハイクしたりしながら日本全国を旅しました。もともと旅行は好きで、働いているときも連休があったら無理やり京都に行ったり、大阪に行ったりして、早朝着の深夜バスでそのまま出勤したこともありました。

―日本一周はどうでしたか?

ぼくが日本一周をしたのは2011年だったんですが、1月に東北を訪れていて、その直後に震災があったのが衝撃的でした。被害にあった場所もとても身近に感じて、なにかせずにはいられませんでした。その後の3年間で6回ほどボランティアに行ったんですけど、やっぱりあれほど身近な場所で、しかも規模の大きい災害というのが人生で初めてで、なんというか…、大勢の方が亡くなるというのを肌で感じましたね。

実際に大勢の人が津波で流されてしまった場所に行ったときには、死というものを本当に側に感じて、いつどうなるかもわからない人生の中で、やるべきこと、やりたいことをやってしまわないと…、という気分になりました。

今回の世界一周の旅に出たのも、そこに理由があると思います。

次回の後編は、桑原淳さんの信念や尊敬する人物など、彼の活動を支えるものについて迫っていきます。

[旅人美容師 桑原淳:1988年生まれ、山梨県出身。日本美容専門学校卒業後、都内の美容院にて勤務。2014年4月より世界一周をスタート。1000人の髪をカットすることを目標に世界各国でさまざまな人の髪を切りながら旅をしている。facebookやInstagramでの投稿が話題になり、日本のメディアに留まらず、タイや台湾などの海外メディアにも取り上げられ話題となっている。
公式ブログ:旅人美容師の世界一周1000人ヘアカットの旅
インスタグラム:jun kuwabara] インタビュー掲載元「インタビュー「1000人ヘアカットの旅人美容師 桑原 淳さんの人生とは」 | 次郎作ブログ~とある二人の医学生~
取材・文:Kawara Kenji | 次郎作ブログ~とある二人の医学生~
Photo by:Kawara Kenji | 次郎作ブログ~とある二人の医学生~

アルゼンチンの旅行記はこちら

* Jacek Podsiadlo 「Argentina
* Alm Ukantar「Patagonia 2008

Kenji Kawara

Kenji Kawara

1988年3月26日生まれ 現在27歳   2006年 高校卒業後、現役で京都大学工学部物理工学科に入学→ 2009年 同大学中退→ 2010年 東京医科歯科大学医学部医学科に入学→ 2015年 同大学を休学し、世界一周の旅に出る(1月末~7月末) 個人ブログ:次郎作ブログ〜とある二人の医学生〜



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