日本からのゴミも…?フィリピンのゴミ処分場で暮らす人々

「スモーキーマウンテン」とは、かつてフィリピンの首都マニラに存在したゴミ処理場及びスラム街の通称。ゴミ問題もスカベンジャーも、スモーキーマウンテンが閉鎖今もなお解決していません。

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こんにちは。Compathy Magazineライターの冒険女子アオノトモカです。

「スモーキーマウンテン」という言葉を、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。「スモーキーマウンテン」とは、かつてフィリピンの首都マニラに存在したゴミ処理場及びスラム街の通称です。マニラから集められた大量のゴミはダイオキシンの問題で焼却できず、埋め立てによって処分されていました。ゴミが自然発火し、煙が常に立ち上っていたことから「スモーキーマウンテン」と呼ばれるようになり、そこにはゴミの中から廃品を回収し生計を立てる「ガベッジピッカー」(※)がたくさん暮らしていました。「貧困の象徴」として世界中の注目、そして批判を浴びていましたが、1995年に閉鎖されています。

しかし、ゴミ問題もガベッジピッカーも、スモーキーマウンテンが閉鎖されたからといって解決された訳ではありません。場所を変えて、今もなお多くの人がゴミ処理場でガベッジピッカーとして暮らしています。

(※)「ガベッジピッカー」とは、「ゴミを拾う人」をいう。「リサイクラー」とも呼ばれている彼らはゴミの中から再生可能なものを見つけ出し、換金することで生計を立てている。

パヤタス・ダンプサイトでの衝撃

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Photo Credit: Tomoka Aono「パヤタススタディーツアー

首都マニラ北部のケソン市にパヤタス・ダンプサイトというゴミ処分場が存在します。パヤタスには閉鎖されたスモーキーマウンテンから移住してきたガベッジピッカー達が住み着き、ゴミ山の中から廃品回収をして生活しています。パヤタス・ダンプサイト、そしてガベッジピッカー達が暮らすコミュニティには、常に悪臭が漂っている状態。まずそれが訪れた私に最初の衝撃を与えました。

危険に晒される子供たち

ガベッジピッカーは大人だけではなく、子供もたくさんいます。学校で勉強するお金もなく、その日家族がご飯を食べるためのお金を稼ごうと、子供達も廃品回収をしているのです。ショベルカーやブルドーザーが走り回るゴミ処理場での廃品回収は非常に危険な作業です。

パヤタスで暮らす人の話によると、廃品回収をしている子供が重機に轢かれて亡くなる事故が多発しているそうです。最も衝撃的だったのが、このゴミ山で子供が轢かれたとき、その子供の家族は治療費が支払えず、どちらにしろその子供は助からない、と重機の運転手が考え、すぐに助けずにそのまま轢き殺してしまうことがある、という恐ろしい事実でした。

日本がゴミを「輸出」している?

マニラのゴミ問題は、フィリピンのゴミ処理システムがしっかりしていないから起きている…。そう人ごとのように思う人も多いのではないでしょうか? しかし、実はここパヤタスに集まるゴミの中には、日本の医療廃棄物なども含まれるといいます。私たちは、知らない間に自分の国で処理できない廃棄物を他国に押し付けているのです。それでも、人ごとだと思うことはできるでしょうか…?

Photo credit: Tomoka Aono「パヤタススタディーツアー」

Photo credit: Tomoka Aono「パヤタススタディーツアー

何のためのスタディーツアー?

近年、国際協力に興味を持つ若者が増え、日本の大学生がスタディーツアーに参加することも多くなったと言います。しかし、ゴミ山で暮らす人々の写真を撮って満足したり、「かわいそう」という感想を持って終わってしまうことも多いと、パヤタス・ダンプサイト視察のスタディーツアーを企画しているNGOのスタッフの方が言っていました。貧困の現場を、自分の目で確かめる勇気を持つことは素晴らしいことだと思います。しかし、その経験を就活のエピソードに利用して満足するのではなく、「この状況を変えるために、自分に何ができるのか」を少しでも考え行動に移すことが、本当はスタディーツアーの最も重要な目的だと思います。

Photo Credit:写真AC

Photo Credit:写真AC

自分の目で見て、耳で聴いて、心で感じる。その瞬間、揺さぶられた感情をその場で終わらせてしまうのではなく、心のどこかに留めておく。そして、今すぐでなくても自分ができるときに、できることをする。みんながそうすれば、それだけで世の中は少しだけ良い方向に変わるかもしれません。あなたは、「どうせ変わらない」と最初から諦めますか? それとも「自分にできることは何だろう」と、変革のスタートを切ることができますか?

ライター:アオノトモカ「冒険女子
Photo by: Nakano Takayuki「当たり前って何か?を考える。国際協力に触れたい一歩目。フィリピンのNGOスタディーツアー

(※2015/08/27修正追記あり)

フィリピンスタディツアーのログブックはこちら

*Nakano Takayuki「当たり前って何か?を考える。国際協力に触れたい一歩目。フィリピンのNGOスタディーツアー
*Tomoka Aono「パヤタススタディーツアー

Tomoka Aono

Tomoka Aono

青年海外協力隊現役隊員として、フィリピンの田舎町で断水と停電に耐えながら日々たくましく生きてます。趣味は冒険と寺修行。モットーは「今を生きる」。最近の悩みは日焼けでフィリピン人より黒くなってしまったことです。



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