
他人事とは思えない!バリ島の「ライステラス」ってご存知?

こんにちはCompathy Magazineライターの石渡航平です。
今回は世界の人たちに人気のあるインドネシアのバリ島について。バリ島といえば、お寺など独自の文化が魅力的です。
昔、バリ島周辺の海域は海流の関係で、船で行くことが難しかったそうです。それもあって寺社仏閣の作りや音楽など、独自の文化が根付いたと言われています。そんなバリ島のなかでも特にオススメの観光地を紹介したいと思います。
ライステラスとは?
Radek Frankowski Beautiful Bali, Indonesia
バリ島にはライステラスがあります。ライステラスというのは、いわゆる棚田です。そのなかでもオススメなのがジャテルウィという場所にあるライステラス。これは2012年に世界遺産に登録されたばかりで、バリ島の古き良きカルチャーを残した素晴らしい景観を見ることができます。ここの良さは観光地化されつつも、現地に住んでいる人々の日常の暮らしが見えるという点です。
ライステラスでは、「食事」という地域性の高い文化を垣間見ることができます。食べ物を作る過程というのは、日本でも交通の便が発達している都心部ではなく、地方、つまり独自の文化があるような「深い所」まで行かなければ、覗くことはできません。日々流通している食べ物がどこからきているのかということは、普段、日本で暮らしていてもわかりづらいかと思います。それを見ることができるのが、ここライステラスの良さであり、文化的にもかなり深く、地域性の高い食文化まで感じることができます。
サラッと訪れただけではなかなか見えにくい、現地の人の暮らしぶりを感じることができる世界遺産というのはあまり多くはないでしょう。
世界遺産登録の背景に自然へのリスペクト
世界遺産になった理由としては、水利システム「スバック」と、ヒンドゥー教の「トリヒタカラナ」という教えに対する信仰を、10世紀以上維持してきたということが評価されたからだそうです。では、「トリヒタカラナ」という教えとはどのようなものなのでしょうか? それはヒンドゥー教の教えであり、「トリ」が『3』という意味、「ヒタ」が『安全・繁栄・喜び』、「カラナ」が『理由』という意味であり、「神と人」「人と人」「人と自然」という3つの調和を大切にすることによって人は幸せになれるという教えです。
その根底にあるのは、恐らく現代に生きる私達が忘れてしまいそうな、「周りに当たり前に存在しているものへのリスペクト」でしょう。「当たり前」というのは、例えば、「人」や「自然」に対するリスペクトです。日本にも八百万の神がいるという教えがあり、「トリヒタカラナ」との共通点を見出せる部分があるかと思います。
そう考えると、そのような精神的教えや感覚は、日本にもバリ島にも共通してあるものだと言えそうです。ここへ来れば、「自然へのリスペクト」は決して他人ごとではない教えだと、気付くことができるのではないでしょうか? ちなみに「ジャティルウィ」という意味は日本語訳で「本当に素晴らしい」という意味で、実際に訪れると、まさにその言葉の通りの景観を見ることができます。そして、ジャティルウィの近くにはその美しいライステラスを見ながら食事ができるレストランがあり、食事をしながら、それを創り出してくれた「自然」を体感することも可能です。
僕はライステラスに現地ガイドさんと一緒に行ったのですが、彼が言うにはあまり日本の人は来ないとのこと。その理由としてはまず、遠いからという距離の問題と、多くの観光客はたいてい有名な海や寺院に行くからだそうです。
しかし、他の国の人たちはバリ島に訪れたときは自転車を借りて一周したり、トレッキングしたりとスローライフを楽しんでいるようです。やはり旅をするならゆとりを持って、決して早くしすぎてはいけないと、そう考えさせられました。もちろん、バリ島はライステラスの他にも、タナロット寺院やウルワトゥ寺院、ビーチなど見所は多くあります。
定番スポットを巡る旅もいいですが、せっかく来たならば少し足を伸ばして、ライステラスに訪れてみてはいかかでしょうか? ここで自然を感じることで、見える景色や世界観が少しだけ変わって広がっていくと思います。
■アジアン料理好きは必見!知られざるインドネシアの定番グルメ3つ
(ライター:石渡航平)
Photo by: Radek Frankowski「 Beautiful Bali, Indonesia」
バリ島の旅行記
*Masaomi Takatsuka「初めてのバリは王道のバリ」
*Radek Frankowski「 Beautiful Bali, Indonesia」
*Keiko Kimoto「Bali in July, 2013」