[世界の一秒]ケアンズの海の主に出会う

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海にもぐると見える景色がある。海にもぐらないと見られない景色がある。オーストラリアのケアンズは、世界でも有数のダイビングスポットのひとつだ。せっかくもぐるなら、底の底まで、どこまでも遠くへ泳いでいきたい衝動に駆られる。

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Takuma Oawa「ケアンズ」より

そんな私の気持ちを知ってか知らずか、頭上をゆうゆうと泳いでいくウミガメと目があった。何も言わないけれど、その姿を見ているだけで思わず息を呑む。陸に上がれば人間の世界があるけれど、海は彼らの縄張りだ。

太陽の光を横切っていくウミガメは、この海にお邪魔する私をじっと観察しているようにも見える。私が見つめているのか見つめられているのか分からないまま、ウミガメは遠くへ泳ぎ去る。

私は彼らのように遠くへ泳いではいけないけれど、しばしこのケアンズの海にもぐっていることを、ひとりでに許されたような心地にひたった。

*Takuma Oawa「ケアンズ

Misaki Tachibana

Misaki Tachibana

富士山の麓で生まれ、今は日本文学を勉強中。好きな作家は川上未映子と堀田善衛。おばあちゃんになったら、国内外問わず、山の中で書道の先生をやるのが小さい頃からの夢です。



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