【本と旅】ガイコクジンが選んだ「旅に出たくなる本」5選

旅を通して港を探す、Compathy Magazineライターのレティです。

旅に出たいという気持ちは、どこから生まれるのでしょう? 異文化に触れたいとか、言語を学びたいとか、旅に出るきっかけはきっと人それぞれだと思います。そのなかで、自分の外からの影響も大きいのではないでしょうか。例えば、映画で見た風景を自分の目でみたいと思って旅に出る人も多いだろうし、渋谷のバーで友達になった人の国に行ってみようと思わず飛行機に乗る人もいるでしょう。

私の場合は本からの影響が大きいかもしれません。そもそも読書が好きということもあるでしょうけれど、読んでいるうちに「ああもう我慢できない!わたしもそこに行ってみたい!」と心の中で叫ぶことがあります。

というわけで、今日は私がオススメする「旅に出たくなる本」をご紹介します。

(1)『カタロニア讃歌』 (「Homage to Catalonia」)/ジョージ・オーウェル

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カタロニア讃歌』Amazoneより

『動物農場』や『1984年』で有名なジョージ・オーウェルによるスペイン内戦のルポルタージュです。

1930年代にオーウェルは社会派エッセイストとしてイギリスで活躍していましたが、スペイン内戦のニュースを耳にして、ファシストの反乱軍と戦うためにスペインのカタルーニャ地方へ赴いたそうです。『カタロニア讃歌』 は1936年12月から1937年6月までの間、内戦に参加したオーウェルの体験を元に書かれたもので、カタルーニャの近況から遠い昔だと思う方が少なくないでしょう。しかし、今日のカタルーニャ事情を理解するためには貴重な本です。

少なくとも私は、カタルーニャ旅の前に必ず読みたい本でした!

(2)『刻』/李良枝

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』Amazonより

日本生まれなのに「ニホンジン」ではない。韓国の名前を付けられたのに「カンコクジン」でもない。韓国を訪れる在日韓国人はどんな気持ちで「旅」をしているのでしょうか。

在日韓国人二世の小説家李良枝(イ・ヤンジ、이양지)は、『刻』では在日韓国人女性のソウル留学を描きながら、国籍、母語とアイデンティティとの葛藤を語ってくれます。何回も韓国に行っているに人も、まだ行ったことがない人にもオススメ! きっと違うソウルが見えてくるようになるはずです。

(3)『世界中で迷子になって』/角田光代

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世界中で迷子になって』Amazonより

「旅に出たくなる本」について紹介している記事はたくさんありますが、角田光代さんの本は、どこにも入っていないのが不思議です。イライラするぐらい! 私にとって、角田さんの作品はそれくらい「旅」にとても影響しているのです。

方向音痴で、英語は片言しかしゃべれない、地理嫌いなため異国のことはもちろん、日本のこともあまり知らない女子としてスタートした角田さんは、世界の国々を一人旅をするようになりました。しかも散歩をしているように旅をするんです。

トイレと旅、食べ物と旅、大人と旅、言葉と旅……。『世界中で迷子になって』では「なぜ旅に出るのか」、そして「旅から何を得られるのか」という問いに対して、角田光代なりの答えが見つかります。
『世界中で迷子になって』(2013年)は最新の旅エッセイですが、『恋するように旅をして』『いつも旅のなか』『恋をしよう。夢をみよう。旅にでよう』などなど、角田光代の旅語りは尽きません。また、『人生ベストテン 』『おやすみ、こわい夢を見ないように』など、世界の国々まで読者をつれてくれる素敵な短編小説もあります。

とにかく角田光代ならなんでもいいから、今すぐ購入を!

(4) 『占い師は言った』(「Un indovino mi disse」)/ティツィアーノ・テルツァーニ

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Un indovino mi disse』Amazonより

ティツィアーノ・テルツァーニは、アジアに長く暮らしてきたイタリア人ジャーナリストです。イタリアでは「アジアに興味があるのなら、ティツィアーノ・テルツァーニを読め!」と言われているくらい、独特な観察力でアジアを見てきた人です。

『占い師は言った』は1995年に出版されましたが、この本の執筆のきっかけは1976年まで遡ります。

1976年に香港で、一人の年老いた中国人占い師がテルツァーニにこう言いました。「気をつけろ!1993年、お前を死の大きな危険が襲うだろう。その年は飛んではいけない。絶対に飛ぶな。」長い年月が過ぎましたが、テルツァーニはその予言を忘れず、それを世界を新たな眼で見つめるチャンスとしました。1993年に海外特派員の職務を中止することなく、1年間飛行機に乗らないと決めました。

冒険小説と自伝、旅行記、そしてルポルタージュが一緒になった『占い師は言った』では、電車、船、車、場合によって徒歩で移動しながら見たアジアが語られています。残念ながら『占い師は言った』がまだ日本語に翻訳されていませんが、ティツィアーノ・テルツァーニの他作品を翻訳した飯田亮介さんのウェブサイトでは訳の一部を読むことができます。

(5)『Hitching Rides with Buddha』/Will Ferguson

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日本に住んでいるガイコクジンは、どのように日本を見ているのでしょう。またニホンジンによってどう見られていると思いますか? 答えはきっとひとつではないかもしれません。

『Hitching Rides with Buddha』ではWill Fergusonさん九州から北海道までの旅を語りながら自分なりの答えを教えてくれます。佐田岬から宗谷岬まで、ヒッチハイクをしながら日本を縦断する旅の話ですが、ガイコクジンに関わるステレオタイプを暴露する本でもあります。

日本語でまだ翻訳されていないのはとても残念ですが、ぜひ読んでいただきたい一冊です!

さいごに

なかなか旅に行けない人にとっては、本というものは世界への窓ですが、旅に出るよう背中を押してくれるものでもあります。今日紹介した本もあなたにとってその窓になって、そしてあなたの背中を押すようになれば嬉しいです!

Buon viaggio!

*Yusuke Saito「バルでタパス食べまくって食い倒れ!噴水ショーに感激しすぎて頭がおかしくなりそうだった件。〜世界一周おふくろの味巡りの旅バルセロナ編〜
*Alice Aoki「普通の韓国はもう飽きた!ローカルを楽しむ街歩き in ソウル
*Madoka Abbie「嗚呼、愛すべき、アジア
*Yasuko Kimura「青森ねぶた&五所川原立佞武多

Leti

Leti

南イタリアの雪国バシリカータ州で育ち、7年間ナポリに滞在。22歳の時に来日し、現在日本文学とジェンダーを研究しながら旅ライターをしています。「私たちの頭は丸い。だから思考はいつでもその方向を変える事が出来る」は人生のモットーです。

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